研究課題/領域番号 |
20K01672
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
三宅 敦史 神戸学院大学, 経済学部, 教授 (60513281)
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研究分担者 |
大住 康之 兵庫県立大学, 国際商経学部, 教授 (10223819)
稲垣 一之 南山大学, 経済学部, 教授 (70508233)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 上位への集中 / 収穫逓増 / 低成長 / 所得不平等 |
研究実績の概要 |
本研究プロジェクトは、上位企業への一極集中化現象が、経済成長率の低下や所得分布の不平等化を引き起こしているのではないかという仮説を理論的及び実証的に明らかにし、経済成長の促進と所得分布の平等化(所得分布の改善)のために必要な政策を提示することを目的としている。 アメリカにおける上位への集中については、Forbes誌が発表しているアメリカのTOP400人の資産の源泉を調べ,利益を生む産業が時代とともにどのように変化してきたのかを分析したことに加え、資産分布の不平等化が起こっている現実を確認した。分析結果は国際学会において報告した。日本における上位への集中では、有価証券報告書など企業が公表しているデータを用いて,特定の産業において上位への集中が進んでいることを確認した。本結果については論文にまとめているところである。 そもそも上位への集中が起こる原因として、企業が買収・合併(M&A)を繰り返すことが考えられるため、企業の合併・買収と景気との関係についても分析を行った。日本におけるM&Aは2000年代前半までは反循環的であったが、2000年代前半の規制緩和の後は,順循環的に変化したこと、アメリカ、イギリス、フランスでは伝統的にM&Aは順循環的であることが、データを用いて観察された。この結果を受けて、M&Aが反循環的、順循環的のどちらともなりうる理論モデルを構築し,国際学会において報告した。報告成果は近日中に国際的な学術誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対面での研究打ち合わせや資料収集が行えなかったため、実証面での分析にやや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
対面での活動が再開できるようになったので、なるべく早期にデータ収集を行うと同時に、成果を国際的な学術誌へ投稿したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、研究成果の報告を行うために国内外の学会に参加することを予定していたが、学会が対面開催ではなくオンライン開催に切り替わったことにより旅費として支出しなかったことが次年度使用額が発生した主な原因である。次年度以降は学会および研究会の対面開催が増えるため、当初計画通り旅費として使用したい。
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