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2021 年度 実施状況報告書

垂直的市場における株式保有の厚生効果

研究課題

研究課題/領域番号 20K01678
研究機関神戸大学

研究代表者

水野 倫理  神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60589315)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード垂直的市場 / 株式保有
研究実績の概要

前年度の研究では,株式を保有している企業が被保有企業の意思決定に影響を及ぼす状況についての分析が十分ではなかったため,この点についての研究を進めた。このような状況では,株式を保有している企業は自身の利益につながるような経営判断を被保有企業に望むことになる。その結果,経営に影響を及ぼす株式保有は株式相互保有と似た特徴を持つようになる。今年度の研究では,このような性質が垂直的市場における様々な企業行動にどのような影響を持つのかに関して分析を進め,より特徴的な状況を模索した。特に,研究開発や生産容量の意思決定への影響に注目し,現在は分析結果を整理している。
また,本研究計画は垂直的市場を扱っており,副次的な成果物として,“Endogenous Transport Price, R&D Spillovers, and Trade”と題する論文を英文査読付雑誌である The World Economy に受理および出版することができた。この論文では,垂直的市場において川上企業が輸送サービスという同質財に関して価格競争を行い,川下企業が限界費用削減投資を伴う数量競争を行う状況を扱っている。分析の結果,川上企業数の増加によって川上市場の競争が激しくなるが,それは必ずしも消費者余剰の増加をもたらさないことが示されている。
また,この副次的な成果で扱った川上市場における同質財価格競争に株式保有の特徴を取り入れ,その影響について分析を進めた。現時点で注目すべき特徴は得られていないが,数量競争との比較を行うなどの準備を進めており,何らかの成果が得られることを期待している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

前年度までに研究課題に関する成果を出版できており,副次的な成果物も出版可能な水準にあるため。さらに,今年度は論文としてまとめることができそうな分析結果を得られたため。

今後の研究の推進方策

今年度までに得られた分析結果を論文としてまとめ,英文査読付き雑誌に出版することを目指す。

次年度使用額が生じた理由

今年度において,研究のために使用しているノートパソコンが不安定な挙動をしていたため,ノートパソコンを購入した。次年度使用額については,研究に必要な文具や英文校正費に使う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Endogenous transport price, R&D spillovers, and trade2021

    • 著者名/発表者名
      Takauchi Kazuhiro、Mizuno Tomomichi
    • 雑誌名

      The World Economy

      巻: 45 ページ: 1477~1500

    • DOI

      10.1111/twec.13189

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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