研究課題/領域番号 |
20K01684
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研究機関 | 新潟県立大学 |
研究代表者 |
若杉 隆平 新潟県立大学, その他, その他 (80191716)
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研究分担者 |
伊藤 萬里 青山学院大学, 経済学部, 教授 (40424212)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 知的財産権 / サプライ・チェーン / オフショアリング / 国際貿易 |
研究実績の概要 |
本研究の目的(オフショアリングやグローバル・サプライチェーン(GVC)が知的財産を保護する制度・政策に与える影響及び知的財産の保護が財・技術貿易、イノベーションに与える影響を実証的に明らかにすること)に沿って研究を行い、以下の成果を得た。 ・主要な貿易国・地域における特許権、商標権、著作権等の知的財産の保護制度の形成過程、制度変化、保護制度の履行方法に関する諸特徴び知的財産の保護水準の国際比較を可能とする指標を整理し、実証分析のための基礎データを整理した。 ・知的財産権保護と貿易との関係を分析するため、UNCOMTRADEデータベースから2国間貿易データを生成し、重力モデルを推計した。その結果、両者には正の相関関係があることが統計的に有意に確認され、保護の度合いが強い国ほど輸入が拡大する傾向にあり、知的財産権保護による市場拡大効果の存在を示唆する結果を得た。 ・中国は、部分品・中間財の貿易や多国籍企業による生産が活発なことからサプライチェーン(GVC)のHubに位置する一方で、知的財産権保護の程度が十分でないことが指摘されることから、中国の企業データと税関データを用いて企業属性と貿易属性との関係が紐づくようデータベースの構築を進め、知的財産権保護の水準の変化が貿易品目や貿易相手に関してどのような変化をもたらすのかを明らかにするための分析のフレームワークとデータを整理した。 本研究に関連する外部の研究者をオンラインにより招聘し、研究に必要とされる知見を渉猟した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
知的財産権の保護に関する制度面に関する国際比較分析、知的財産権の保護水準の国際比較、異時点間比較が可能となるような指標の構成、2国間貿易データ、ミクロレベルでの貿易データと企業データの接合に関する作業を進めており、次年度以降の分析作業の準備が整いつつある。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に得られた成果をもとにして研究をさらに進める。この場合、実証分析を深めるには分析手法や初歩的な結果に関する研究者間の意見交換が欠かせないため、初年度に引きつづき、外部の研究者をスピーカーに招き、オンライン等によるセミナーを複数回開催し、関連する研究の報告を求めることにより、本研究の実施を補強する。 特に、中国企業に関連する分析に関しては、ミクロデータに関して豊富な知見を有する研究者の協力を得てミクロデータによる分析を引き続き進める。 また、本研究課題の中間的な成果がまとまった場合には研究会等で報告することにより内外の研究者からの示唆を得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染拡大防止のために2度にわたる緊急事態宣言等がなされたことから、予定していた学会出席、研究者の招聘等旅費の支出を伴う研究活動を翌年度以降に繰り越すことになり、こうした研究活動を翌年度に実施するために、翌年度分として請求した助成金と合わせて使用する計画である。
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