研究課題/領域番号 |
20K01687
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研究機関 | 敬愛大学 |
研究代表者 |
根本 敏則 敬愛大学, 経済学部, 教授 (90156167)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高速道路 / 車種別料金 / 大型車 / 損傷者負担 / 交通需要マネジメント |
研究実績の概要 |
高速道路網が概成し、相対的に整備より更新が重要となるなかで、これまで空間的・時間的占有面積に応じて決められてきた車種別料金の見直しが急務である。具体的には損傷者負担原則により、大型車の料金を上げ乗用車の料金を下げ、道路利用者の総余剰を増加させること、さらに橋梁などの構造物区間の料金を割高にし、もって大型車を土工区間に誘導することにより、高速道路網全体の更新費用を削減することが期待できる。本研究の目的は「高速道路の維持管理・更新のための総費用を回収するという条件の下で、道路損傷を考慮した車種別高速道路料金を試算するとともに、同料金の導入により社会的余剰が増加することをシミュレーション分析によって明らかにする」ことである。 2020年度においては、以下が明らかになった。 1. 研究枠組の構築 Verhoef(2009)などのインフラ容量を可変とするインフラ課金理論、および大型車交通の道路損傷に与える影響の最新の実証研究をレビューし、本研究の高速道路で損傷者負担料金を導入することが「社会的余剰を最大化する」仮説を補強した。 2. 欧米の有料道路制度の評価 2-1 各国の課金原則、課金単価水準を比較するととに、車種別負担額、とくに大型車の負担額を明らかにした。 3. 費用データの整備 3-1 NEXCO3会社、首都高、阪高から路線別、車種別交通量、財務データ、更新計画に関する資料を入手し整理した。なお、現在の更新計画の68%は床板関連の費用である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおり、高速道路で損傷者負担料金を導入することが「社会的余剰を最大化する」仮説を補強した。 また、大型車交通の道路損傷に与える影響の最新の実証研究をレビューしも引き続き実施し、各国の課金原則、課金単価水準を比較することができた。
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今後の研究の推進方策 |
・欧米の有料道路制度の評価 有料道路制度を評価し、日本への示唆を得る。 ・費用データの整備 大型車交通量別、道路設置環境別、道路損傷タイプ別の道路費用関数を推計する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため移動が困難となり、研究活動、学会活動が困難となったため。
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