研究課題/領域番号 |
20K01690
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
林 光洋 中央大学, 経済学部, 教授 (80367672)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アジア途上諸国 / 地域間所得格差 / 都市・農村間所得格差 / 地域内所得格差 / 教育の地域格差 |
研究実績の概要 |
2022年度は、本研究プロジェクトが掲げてきた目標のうち、①全国規模の、家計調査原データを使用して、②価格の調整を時間に対してしか行なっていない研究が多い中、空間(州/地域の都市・農村間の生活コストの違い)に対しても行ない、③Blinder-Oaxaca分解の手法を用いて、教育、年齢、ジェンダー、職業といった世帯の特性で、地域間の消費支出格差を要因分解した。所得データではなく、消費支出データを用いたのは、富裕層の豊かさを過小評価してしまうデメリットをともなうものの、季節性や不安定性を是正したり、申告漏れによる不正確性を少なくしたりすることが可能であり、途上国の場合、所得に比べると消費支出のほうが格差を正確に補足できると考えられているからである。世帯の属性で、地域間(都市・農村間)の消費支出格差を要因分解したところ、世帯主の教育水準が消費支出格差にもっともインパクトを与えていることがわかった。インドネシア、フィリピン、インドの3か国それぞれの分析を行なった後、それら3か国を比較した。それらの結果を2本の論文にまとめて刊行している。 2020年度からスタートした本プロジェクトは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けてこれまで現地調査の実施がかなわなかった。2022年度に入り、影響は残っていたものの外務省の感染症危険レベルも下がり、10月末から11月前半にかけて短期間でフィリピンを訪ね、都市・農村間といった空間的な所得格差の現地調査を実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は小さくなってきたものの、引き続きさまざまな制約や障害が生じていたため、当初計画していた時間を本研究のために配分することができなかった。研究実績の概要でも述べた通り、3年目にして初めて研究対象国の1つを訪ねることができたが、短期間になってしまい、予備的な性格の現地調査にとどまってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症が2023年度に収束すれば、フィリピンで本格的な現地調査を行ない、研究を進めていきたい。また、サブサハラ・アフリカ途上諸国でも現地調査を行ない、アジア途上諸国の空間的な所得格差と比較分析を試みたい。さらに、中国の教育格差の地域的側面からの分析について研究を進め論文として発表していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
すでに説明したように初年度の2020年度、2年目の2021年度とも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、研究対象国において現地調査を実施することができなかったことが大きな理由である。2022年度は実施できたものの短期間の訪問になってしまった。このように、費用のもっとも大きな項目の旅費の支出が当初計画したものよりも大幅に下回ってしまったことによる。2023年度には、さまざまな費目の支出をしていく予定である。
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