将来、発展途上国が現在の先進国と同等の消費を行なうならば、環境負荷は地球の限界を超えてしまう。先進国の消費量も将来にわたって減少させていくことができなければ、問題はさらに深刻になる。持続可能な消費を実現させていくために、本研究では経済発展と資源利用(物質的な消費)の関係を明らかにしている。分析の結果、以下のことが示された。 (1)経済発展は環境容量を測る一つの指標である生物多様性を破壊させており、その傾向は途上国において顕著である、(2)物質的消費は必ずしも主観的幸福度を増大させていない、(3)消費者が所有している物を長く大切に活用していく場合には、単位消費量あたりに得られる幸福度が増大する。
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