研究実績の概要 |
3月31日現在、本科研に関係する2021年度に公刊された論文は4本(後述)、投稿後reviseに回った論文は2本(Hamada,Ohkawa,and Okamura (2021)とKawasaki,Ohkawa,and Okamura (2021))、このうち後者は学会発表も行った。なお投稿中の論文は2本(Mori, Okamura,and Ohkawa (2021) とHayashibara, Nomura, Ohkawa, and Okamura)である。 Hamada et al (2021)は、本科研のベンチマークモデルとその拡張モデルとの基礎となる長期均衡での従量税、従価税の参入や厚生に与える分析を行っている。加えて、Hayashibara et al(2021)に関しては、政府の真の目的を厚生最大化と定めた上で、政府が政策変数決定時の目的として何を選択するかを分析している。この意味で、ベンチマークモデルの構築に寄与する論文であるといえる。 Kurata et al. (2021)は、本科研の非対称モデルI(費用格差)での分析結果の先駆けとなる2地域での費用格差が立地に与える影響を分析している。Kawasaki et al (2020, 21)は、本科研での非対称モデルⅡ(混合寡占と民営化)を構築する上での基礎的な結果をもたらすものである。どちらも、部分的民営化企業と民間企業(自国企業あるいは外国企業)との意思決定のタイミング、民営化率の決定を内生的にすると、結果としてどのようなタイミングと民営化率が選択されるかをみたものである。 一方、ベンチマークモデルを垂直的な関係に拡張する研究方向が考えられるが、これについては、森他(2021)、Mori et al (2021)が挙げられる。いずれも、垂直的関係時での短期・長期均衡を分析している。
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