本研究ではオンライン実験で抽出した曖昧性態度と水害対策行動との関連を実証的に検証した。得られた結果は以下である。1)人工的な曖昧性よりも自然的な曖昧性に対して人々は確率を識別できない傾向がある。2)利得領域では人工的な曖昧性よりも自然的な曖昧性を強く回避する。損失領域では曖昧性愛好的であり、自然的な曖昧性と人工的な曖昧性の間でその程度に差は見られない。3)認知反射能力が低い人ほど、曖昧性下において確率を識別できない。4)確率を識別できない人ほど水害対策行動をしない傾向がある。一方、曖昧性回避と水害対策行動には統計的に有意な関係は見られない。
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