• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

制度が技術・生産性に与える効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01697
研究機関関西大学

研究代表者

岡田 啓介  関西大学, 経済学部, 准教授 (70633064)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード制度 / 汚職 / グローバル・バリュー・チェーン
研究実績の概要

本年度は、研究計画に基づき、主に以下の点について研究活動を行った。

(1)天然資源を豊富に有する国は、その資源を利用して経済発展に成功するように一見思われるが、実際には経済パフォーマンスが低調であることがしばしば観察される。この現象は「資源の呪い」として知られている。天然資源に関わる資金は不透明であることが多く、資源の呪いの原因の一つとして汚職の存在が指摘されている。この問題に対する国際的な取組みとして、「採取産業透明性イニシアティブ(Extractive Industries Transparency Initiative: EITI)」がある。この研究では、アフリカ諸国に着目し、EITIの経済的効果について理論的・実証的側面から検証した。研究結果から、ある国がEITIに参加することで、その国の天然資源レントが増加することが明らかとなった。研究成果は国際的学術雑誌Resources Policyに掲載された。

(2)経済のグローバル化にともない、企業は財・サービスの供給・調達を複数国にまたがって行うことが多くなっている。このグローバル・バリュー・チェーン(Global Value Chain: GVC)の形成により、企業は生産工程の最適化を図ることが可能となる。一方で、GVCが寸断されることは企業にとって大きなリスクとなっている。このリスクの一つとして、制度的要因が挙げられる。制度とは、法や慣習、汚職、政治体制など多岐にわたる。このような制度は市場の役割を補完するものとして機能し、制度の質の改善が円滑な経済活動につながると考えられている。この研究では、制度的要因がGVCにどのような影響を与えるのかについて、実証的に明らかにしようとしている。現在、GVCと制度の質に関する世界100カ国以上のデータを収集している。今後、さらに分析を進め、論文にまとめる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に記載したように、採取産業透明性イニシアティブと天然資源レントの関係を考察した論文を国際的学術雑誌に掲載した。また、制度的要因がグローバル・バリュー・チェーンにどのような影響を与えるのか、という研究テーマに取り組んだ。後者の研究については、今後さらに分析を進め、論文にまとめる予定である。

今後の研究の推進方策

制度的要因とグローバル・バリュー・チェーンの関係に関する研究について、今後さらに分析を進め、論文にまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により出張が難しかったため、次年度使用額が発生した。次年度は統計ソフトの購入、研究打ち合わせ・研究成果報告のための旅費、書籍の購入などを計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Transparency and natural resources in sub-Saharan Africa2022

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Okada, Takayoshi Shinkuma
    • 雑誌名

      Resources Policy

      巻: 76, 102574 ページ: 1-10

    • DOI

      10.1016/j.resourpol.2022.102574

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi