最終年度は、研究計画に基づき次の研究活動を行った。生産性の向上は長期的な経済成長のために重要であり、技術導入はその推進要因の一つである。この研究では、政治体制が技術伝播にどのような影響を及ぼすのかについて、1900年以降の約100年、世界約100か国、約100種類の技術のデータを利用して検証を行った。研究結果から、民主主義体制の国ではあらゆる技術を積極的に導入しているわけではないが、特に健康や農業に関わる技術の導入を推進していることが明らかとなった。研究成果は国際的学術雑誌Journal of the Knowledge Economyに掲載された。
3年間の研究期間全体では、研究計画に基づき主に次の研究活動を行った。経済発展は途上国・先進国といったマクロレベルから企業・個人のようなミクロレベルまであらゆるレベルで追求されている。経済の技術水準・生産性を向上させることが経済発展にとって重要であり、本研究課題ではマクロ・ミクロレベルの双方の観点から、技術水準・生産性の向上をもたらす要因を考察した。マクロレベルの研究では、人的資本や政治制度が経済成長、技術伝播に与える影響を検証した研究を行い、研究成果は国際的学術雑誌Asian Development ReviewやJournal of the Knowledge Economyに掲載された。ミクロレベルの研究では、貿易自由化が企業の生産性分布に与える影響を考察した研究を行い、研究成果は国際的学術雑誌Journal of International Economicsに掲載された。
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