研究課題/領域番号 |
20K01708
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
福澤 勝彦 長崎大学, 経済学部, 教授 (00208935)
|
研究分担者 |
藤田 渉 長崎大学, 経済学部, 客員教授 (30264196)
宇都宮 譲 長崎大学, 経済学部, 准教授 (60404315)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 労働のモジュール化 / グローバル / サプライチェーン |
研究実績の概要 |
本年度は経済学の視点から、サプライチェーンのグローバル化の中で新型コロナ感染がどのように経済に影響したのかを、貿易データと雇用データを用いて研究をおこなった。その結果、新型コロナのパンデミックの影響でわが国において貿易と雇用に特殊なサイクルが発生する事実を観察した。この結果の解釈については現在検討中であるが、その研究成果の一部は題目で発表を行った(藤田渉・福澤勝彦「グローバル・サプライチェーンの直面する問題と雇用への影響」九州経済学会第71回大会、2021年12月4日(土)、九州大学(オンライン))。本稿では新型コロナ感染の貿易への影響が雇用にどのような影響を与えたかをデータを元に探るなかで見いだしたものであり、今後労働の変容との関係を明らかにすることを目的としたものである。 また、労務管理論の視点からの総合的な研究として、宇都宮を中心としてアジア地域との共同研究などを含めて3つの口頭発表と論文一編を公表した。一連の研究はタイのチェンマイ大学を中心とした研究者およびベトナムの大学における研究者との共同によって勧められてきたものである。現地での調査の代替として必要なデータについては、このネットワークを用いて入手した。このネットワークは本課題において重要なものである。 他方、2022年3月現在まで予定していた現地調査が実施できなかったため、研究全体は入手したデータ分析がおよび文献研究を中心としたものとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、研究課題において重要な位置を占めるアジア地域での現地調査が、新型コロナ感染の拡大のためできかった。そのため、文献研究およびデータによる研究を中心に実施した。当初予定した現地調査の部分で明らかにすべき点は残されているが、その部分以外の研究は進展している。そのため、研究費の使用をふくめると調査部分がほぼ全額残されており、全体としてはやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
過去2年間の研究で、アジア現地調査の部分を除けば研究は進展している。新型コロナの感染状況をみて、可能な時期に調査をおこなうことでこれまでの研究を踏まえ研究は推進可能であると考えている。ただし、今後も感染状況が好転しない場合には、これまでの文献での研究とデータ分析へ集中することで代替する予定である。2022年度以降感染状況が収束し海外調査の実施が可能であるようであれば、調査を実施するため2023年度への延長が必要となることも想定している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染の拡大により、国内出張、海外現地調査が一切行えず、また学会もすべてオンライン開催となり、旅費の使用ができない状況が継続したためである。2022年度に調査が可能であれば集中的に現地調査を実施したい。コロナ感染状況によって、今年現地調査が不可能である場合には、データ及び文献研究の推進、あるいは2023年度への研究期間の延長も視野に入れている。その点については10月時点で決定する予定である。
|