研究課題/領域番号 |
20K01727
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山口 力 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 教授 (60435047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 国家間の政策協調 |
研究実績の概要 |
2021年度は4年計画の2年目であり、予定した年次計画に従い、関連文献の整理と同時にこれまで着手していた理論モデルの拡張や論文改訂を集中的に行った。本研究は、外部性の存在する経済(地球温暖化問題や租税競争など)において複数の経済主体間の提携がどのように形成・維持されるのか、また、その協調政策が提携国および非提携国双方の厚生に及ぼす影響を明らかにすべく、国家間の異質性を明示的に考慮した理論モデルの開発とそこから導出される政策的インプリケーションを明示することを目的としている。 環境浄化R&Dの国際的技術提携をCoalition-Proof Nash Equilibriumの概念を用いて分析した研究論文は「Overlapping Climate Clubs: Self-Enforcing R&D Networks to Mitigate Global Warming」と改題し専門学術誌からのアクセプトが得られた。 また、非対称な3国による国家間の資本課税提携を繰り返しゲームで分析した研究論文「Endogenous Leadership and Sustainability of Enhanced Cooperation in a Repeated Interactions Model of Tax Competition」は専門学術誌よりRevise & Resubmitの機会を得られたため現在再投稿のための改訂作業に取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度は4年計画の2年目であり、予定した年次計画に従い、関連文献の整理と同時にこれまで着手していた研究論文の改訂も進めることが出来た。コロナ禍が長期化しており当初予定していた学会や関連セミナー等での研究発表は中止せざるを得なくなったが、専門学術誌に投稿中であった2本の論文のうち1本がアクセプトされ、さらにもう1本も改訂後再投稿の機会を得られたことから、おおむね順調に推移していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在投稿中の論文に関しては、レフェリーや編集者のコメントに適切に応答し、アクセプトされるよう集中的に改訂作業を行う。 また、現在進行中の理論モデル開発に関しては、今後開催されるであろう学会や関連セミナーでの研究発表を視野に入れ、分析および論文執筆を計画的に進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内外の共同研究打合せおよび学会発表計画がコロナ禍の長期化により相次いで中止となったが、今後対面にて開催される関連学会や研究協力者との研究打合せの出張旅費として支出する予定である。また、年度末に英文校正を予定していた改訂論文の完成がおくれているため、英文校正の注文・納品が翌年度にずれ込んだため、支出も翌年度となった。
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