研究課題/領域番号 |
20K01732
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
小島 寛之 帝京大学, 経済学部, 教授 (30328083)
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研究分担者 |
浅野 貴央 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (40423157)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 不確実性 / ジニ係数 |
研究実績の概要 |
2020年-2022年度の研究計画に基づき、以下のような研究を行った。 1.Asano and Kojima (2020) の投稿用改訂を行った。belief functionをknowledge spaceから定義する方針に変更し、knowledge spaceを内生的に生み出すような公理系を作成した。完成間近のため、近日中に投稿する予定である。2.Asano and Kojima (2020)の応用として、Chateauneuf et al.(2007)の簡易的な証明に成功した。Chateauneuf et al.(2007)はSavege型CEUの公理系を用いているが、我々はSchmeidler型CEUをベースに著しく簡単な証明に成功した。この選好は、極端な結果に特殊な反応をするものであり、医療に関する人々の行動を説明できる。2021年度中には論文を完成させ、国際的学術誌に投稿予定である。 3.Asano and Kojima (2020)の応用として、Habit formationの公理化の研究を行った。habit formationとは意思決定が現在だけではなく過去の出来事にも影響を受けることであり、医療に関する人々の行動に深い関連を持つと予想される。現在、論文を作成中である。4. Klibanoff et al. (2005)のモデルに基づき、曖昧性への態度が、意思決定者の投資行動にどのような影響を与えるかについて分析を行った。曖昧性が投資行動に与える効果は、確率優位だけで決定されるわけではなく、投資関数が補完的か代替的かによって異なることを証明した。具体的には、技術ショックが確率優位の概念の一つであるMLRDで順序づけされている場合、生産関数が代替的であるとき(補完的であるとき)、曖昧性回避性が高まると資本への投資が増大する(減少する)ことを証明した。この結果は、生産関数の形状によっては、曖昧性回避性が増大したとき、資本投資が増大するという直観に反する結果が導出できることを示している。この論文はEuropean Journal of Operational Researchに採択された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの影響により、対面による研究打ち合わせが大きく制約され、また、対面での研究報告が出来なかったため、想定通り研究は進展しなかっ た。一方で、曖昧性モデルに関する研究論文が国際的学術誌に採択され、さらにbelief functionに関する研究を進展させたため、このように自己評価する。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度については、オンラインを使った研究交流を利用しながら、前年度までに得られた研究成果を踏まえた上で、複数の研究を進展させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスによる国内外の出張取りやめ、学内業務及び他の科研費との関係から、次年度以降に執行した方が適切と判断したため。 (使用計画)ワークステーションの購入費として適切に執行する予定である。
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