研究課題/領域番号 |
20K01751
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 大志 慶應義塾大学, 経営管理研究科(日吉), 教授 (60420478)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 資産価格評価 / データサイエンス / 機械学習 / 人工知能 / イノベーション / 知的財産 / シミュレーション |
研究実績の概要 |
本研究では,近年飛躍的な進展を遂げている情報技術を通じ資産価格評価のための分析基盤・分析の枠組みを確立し,その利点・課題を明らかにすることを試みる.分析においては,最先端の自然言語処理技術および非構造化データ(文書データ等)を用い価格形成のメカニズムの解明に取り組む. 本年度においては,はじめに,実証分析およびモデル化において必要な基礎分析にて用いるデータベースの構築を行った.具体的には,企業に関するデータとして国内上場企業を中心に企業属性データの収集整理を行った.企業属性としては,基本的な企業の財務指標に加え,非構造化データの一つに挙げられる知的財産に関するデータおよび企業活動に関するデータなどを対象とした.また,分析に必要となる資産価格データの収集整理も実施した.更に,現実の資産価格評価に関する活動の調査のために,金融市場参加者へのヒアリング調査もあわせて実施した. 分析においては,知的財産を対象としたデータ分析を通じ,企業活動の数値化を行い,類似企業の特定,企業の技術的多角化度合いの測定を通じ,企業価値との関連性について分析を行った. これらの研究成果の一部は,日本ファイナンス学会第28回大会,第34回人工知能学会全国大会,日本証券アナリスト協会・青山学院大学大学院国際マネジメント研究科共催セミナー,計測自動制御学会 システム・情報部門学術講演会,人工知能学会 経営課題にAIを! ビジネス・インフォマティクス研究会などにおいて報告を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は,実証分析およびモデル化の基礎分析に必要となるデータベースの構築を予定通り実施.また,計算機科学における近年の成果を取り入れた手法による分析も実施しており,本研究課題は当初の計画以上に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,構築したデータベースの拡張およびデータベースを活用した実証分析を実施する.また,データ分析手法の改善も実施の予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:新型コロナウイルス感染拡大のため計画に変更が生じている.また,本研究における実データを用いた実証分析において当初の想定以上に研究成果がでていることから,研究発表を優先して実施している. 使用計画:本年度においては,分析環境構築として,データベースの拡張を行う予定である.また,研究成果の発表も積極的に実施する予定である.
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