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2021 年度 実施状況報告書

グローバルショックと資産市場間の相関構造

研究課題

研究課題/領域番号 20K01757
研究機関明星大学

研究代表者

中田 勇人  明星大学, 経済学部, 教授 (10366916)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード石油価格 / 株価 / ETF / VAR
研究実績の概要

本年度は第一に、東南アジア各国の株式市場間の相関に世界市場における石油価格のショックが与える影響について構造VAR(ベクトル自己回帰)モデルを用いた分析を行った。今回は、石油市場のショックの識別戦略としては比較的シンプルなKilian(2009)の手法を用い、historical decompositionによってそれぞれのショック(供給ショック、総需要ショック、石油市場固有のショック、それ以外のショック)に起因する株価収益率の変動を推定した。その結果、アジア通貨危機以前の時期については、各国間の株式収益率の相関に一定の影響を与えている事が明らかになった。この時期は、産油国と非産油国の間で石油価格ショックが株価収益率に与えるインパクトが大きく異なり、これが各国市場間の相関関係に一定の影響を与えていたと見られる。一方、近年では石油価格ショックによる各国へのインパクトが均質化し、相関への影響が相対的に低下している。
第二に、郡司大志教授(大東文化大学)、青野幸平教授(立命館大学)と共同で日本銀行のETF(上場投資信託)購入が日本の株価に与えた影響を分析した。本研究では先行研究と異なり、Abadie and Gardeazabal (2003)のSynthetic Control Approachを利用し、実際の株価とOECD諸国の株価を利用した仮想の系列(日銀のETF購入が無かった場合)と比較することで、政策の効果を分析した。分析の結果から、日銀のETF購入はそれが無かった場合に比べて株価を押し上げていることが示唆される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はある程度、予定していた分析を進めることが出来たが、昨年度にコロナ感染拡大の対応などによって生じた遅れを取り戻すには至らず、予定よりも多少も遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

昨年までに、グローバルショックと資産市場間の相関構造を分析するための実証フレームワークが固まったので、本年度は新たな識別戦略と追加的な変数の導入によって、より精緻な分析を行い国際学術誌に投稿可能な研究成果を完成させることを目指す。そのため、本年度の秋には国内、国際学会で研究成果を報告することも予定している。

次年度使用額が生じた理由

昨年度に引き続き、海外学会の延期やリモート化によって予定した支出が出来なかった。また、半導体不足等で予定したノートPCが年内に購入することが出来なかった。2022年度は、学会参加やノートPCの購入などにより支出を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Did the bank of Japan’s purchases of exchange-traded funds affect stock prices? A synthetic control approach2021

    • 著者名/発表者名
      Kohei Aono, Hiroshi Gunji, Hayato Nakata
    • 雑誌名

      Applied Economics Letters

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1080/13504851.2021.1963409

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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