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2023 年度 実績報告書

グローバルショックと資産市場間の相関構造

研究課題

研究課題/領域番号 20K01757
研究機関明星大学

研究代表者

中田 勇人  明星大学, 経済学部, 教授 (10366916)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードグローバルショック / 株価の連動性 / 安全通貨 / ETF購入 / 石油価格
研究実績の概要

株式市場と外国為替市場を対象に、グローバルショックが資産市場間の関係に及ぼす影響を明らかにするために、時系列分析や因果推論の手法を用いて分析を行った。その結果、下記の3つの結果が得られた。
第一に、アジア通貨危機前、ASEAN諸国の実質株価収益率の連動性は市場ペア毎に大きな違いが存在していたが、その一部は国によって石油価格変動が株価収益率に与える影響が異なることに起因する可能性を示した。一方、アジア通貨危機後ではこうした非対称性が見られなくなり、石油価格の変動による影響は、全体的にASEAN諸国の株価収益率の連動性に大きな影響を与えていない。
第二に、金融市場のリスクオフに際して増価する安全通貨(Safe Haven Currency)の時系列的な変動を、代表的な安全通貨とされる日本円とスイスフランの対USドル相場について分析した結果、安全通貨の地位は時期によって変動することが明らかになった。世界金融危機前は概ねUSドルが安全通貨として機能していたが、世界金融危機後は時期によって日本円とスイスフランがそれぞれ安全通貨として機能していた。また、変動が起こるタイミングの多くは世界金融危機や米中貿易戦争の様なグローバルショックと一致することが分かった。第三に、日本銀行のETF購入が日本の株価に与えた影響を因果推論の手法(Synthetic Control Method)を使って検証したが、ETF購入後に日本の株価は他国の株価変動から予想される水準よりも上昇しており、ETF購入政策に株価を押し上げる効果があることが確認された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Time-variant safe haven currencies2024

    • 著者名/発表者名
      Sato Ayano、Nakata Hayato、Percy Jay
    • 雑誌名

      International Review of Economics and Finance

      巻: 93 ページ: 316-328

    • DOI

      10.1016/j.iref.2024.04.015

    • 査読あり
  • [図書] 東アジア諸国の開放経済 国際マクロ経済、貿易、投資および経済発展に関する実証研究2024

    • 著者名/発表者名
      法政大学比較経済研究所/ブー・トウン・カイ編
    • 総ページ数
      174
    • 出版者
      日本評論社
    • ISBN
      978-4535540828

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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