研究課題/領域番号 |
20K01764
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
永易 淳 東北大学, 経済学研究科, 教授 (30375422)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | グローバルインバランス / 貿易収支 / 財政政策 |
研究実績の概要 |
本研究は多くの国々が直面しているグローバルインバランス(貿易赤字)と財政政策の関係について分析している。重要な課題であるため多くの研究がなされてきたが、インバランスの周期性や支出項目別分析を行っていることが本研究の特徴である。2021年度は、初期段階の研究結果を公の場で発表し広く評価を頂き問題点を明確にすることが目的であった。
まず、2021年5月28日に「Cyclical reaction of fiscal policy and its relationship with the current account balance」という論文をを国際シンポジウム「Researchers Meeting on Global Risk」で発表した。これは研究代表者が責任者として運営しているシンポジウム「Environmental and Financial Risks」の一つで、世界銀行やフランスの研究機関EHESSなどから報告者が参加し、発表論文に対する活発な意見交換を行った。また日本金融学会春季大会でも上記論文を発表し討論者を始め学会参加者から建設的なコメントを頂いた。そして、これらのコメントを吟味し研究内容や結果の解釈の改善に取り組んでいる。
当初予定していた本科研費による海外出張は、他の業務のスケジュールや新型コロナによる入国規制のため中止となった。そのため昨年度に引き続きオンラインでのコミュニケーションにより研究を進めた。学会の運営同様、オンライン環境下での会話は限定的であるが、研究は概ね計画通りに進んでいる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度同様、新型コロナのため多くの計画を変更する必要があった。具体的には新種コロナ(オミクロン)に対する日本政府の水際対策強化のため、一時は日本に帰国不可能ということが出発直前に判明したため、科学研究費による海外出張をキャンセルせざるを得なくなった。共著者と対面で議論できないことは研究の進展や内容に多かれ少なかれ影響していると思う。
その反面、オンライン国際会議で研究を発表することにより、本研究結果の内容について他の研究者と討論することができたことは非常に貴重な機会であった。本研究開始から新型コロナと共存しながら進めており、2年目ということでオンラインによる研究環境は整った。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題の開始と同時に新型コロナの蔓延が発覚したため、海外研究協力者と一度も対面で話し合うことなく、これまで研究を進めてきた。最終研究期間でもある来年度は、対面での討論する機会を作ることで、これまでの問題点を早期に解決し研究を完成させたいと思う。そして論文を学術雑誌に投稿することが今年度の具体的な目標である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
初年度は新型コロナのため国内外出張を全てキャンセルした。研究2年目の昨年度も同様の理由で出張することができなかったため予算の持ち越しが発生した。研究最終年度である2022年度はサバティカル期間中でもあるので長期海外出張を実施する予定。
|