• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

リスク計測方法見直しに伴う諸問題へのノンパラメトリックな統計手法の応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K01765
研究機関埼玉大学

研究代表者

丸茂 幸平  埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (90596959)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードRisk measure / Expectile regression / Quantile regression
研究実績の概要

Royal Melbourne Institute of Technology Australia の Steven Li 教授と協働体制を構築した.具体的には,埼玉大学内のファイルサーバーにネットワークフォルダを設定し,データ,資料,計算のためのコードなどを豪州在住の Li 教授とリアルタイムでの共有することを可能にした.
また,日本および豪連邦の株式インデックスのデータを半ば自動的に収集する Python のコードを作成し,データベースの構築に着手した.現在のところデータの入手元は yahoo api であるが,Li教授の所属する RMIT の契約する Bloomberg など別のデータソースが利用可能か調査中である.
計算に関しては,Expectile や Quantile (分位数) regression のための予備的な計算コードを作成した.計算には,Kuan, Yeh and Hsu (2009), Yao, Li and Sun (2021) らによる方法を用いた.すなわち,インデックス収益率の日次時系列に対して,過去の収益率を説明変数とする regression model を実装した.先行研究に倣い,正の収益率と負の収益率を非対称に扱うモデルのパラメータを推定すコードを作成した.パラメータの推定は解析的でなく数値的に行った.すなわち,繰り返しによって値を収束させる方法を利用している.
さらに,収益率分布の非正規性を考え,Hermite多項式系による分布の近似方法も検討した.すでに報告されているように,多項式を用いた分布近似の方法は,確率密度関数の非負性を担保できないという欠点を有する.これに対処するため,多項式を,非負定値行列を用いた2次形式であらわす方法を検討した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在実務で使われているリスク指標は Value at Risk および Expected Shortfall がほとんどであるが,現在予備的な算出を行っている Quantile からは両者とも比較的容易に算出することができ,検討の目途が立ったといえる.
さらに,今後実用化の可能性がある Expectile も算出が可能であり,規制上および実務で利用される可能性のあるリスク指標につき,ほぼ網羅したといえる.

今後の研究の推進方策

Expectile および Quantile regression において,パラメータの推定量の分布を求め,有意性を確認する.これにより,どのような情報がリスク指標の値を推定するために有用であるかを検討することが可能になる.また,本邦金融市場と豪連邦市場を比較することによりこれらの結果がどの程度の普遍性を持つかを知ることができる可能性がある.

次年度使用額が生じた理由

科研費申請時点では,オーストラリア連邦への出張を企図していたが,2020年より本格化したコロナ禍により取りやめとなった.本年度より対面で打ち合わせや共同作業を行うために当該国への出張を計画し,そのための支出を見込んでいる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 基礎から学ぶ 実証分析2021

    • 著者名/発表者名
      丸茂 幸平
    • 総ページ数
      344
    • 出版者
      新世社
    • ISBN
      978-4-88384-333-6

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi