研究課題/領域番号 |
20K01765
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
丸茂 幸平 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (90596959)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Risk measure / Expectile regression / Quantile regression |
研究実績の概要 |
現在金融リスク計量のための指標は Value at Risk (VaR) が主流といえるが,Expected Shortfall (ES) など,新しい指標も実用化がすすめられている.こうした中,実用化の例は聞かないものの,一部で研究がおこなわれている Expectile に関して,オーストラリア連邦 Royal Melbourne Institute of Technology の Steven Li 教授とともに引き続き調査を行っっている.Expectile は VaR や ES よりも裾部分のリスクにより鋭敏に反応するこ となどから金融リスク指標として注目をされている. Expectile は,資産価格を引数に持つある評価関数の期待値を最小化するパラメータの値として定義されるものである(Kuan et. al. 2009 など).また,Expectie-based Value at Risk を,市場間のリスクの伝播の計測に応用する手法を開発し,これをオーストラリアと日本の株式市場に当てはめた.また,その成果を,オーストラリアの Royal Melbourne Institute of Technology の Steven Li 教授とともに,ワーキングペーパー ``Downside risk in Australian and Japanese stock markets: evidence based on the expectile regression'' にまとめた(Saitama university working paper No. 17). ここでも利用した,統計の基礎的な手法を解説し,「大学教養 統計学」(数研出版)として出版した. また,この内容を Journal of Risk and Financial Markets に投稿し,1回目の peer review を受け,改訂を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しいリスク指標に関する理論的な側面についての調査が遂行され,またその応用についても成果を上げることができた. 成果をオーストラリアの研究者との共著ワーキングペーパーとしてまとめ,国際的な共同研究という意味でも意義のあるものとなった. さらに,学術誌 Journal of Risk and Financial Markets への掲載に向け共同での作業につながっており,当初の計画に沿った実績となっている.
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今後の研究の推進方策 |
上記論文の改訂作業を進める.また,Expectile について指摘されることの多い,解釈の困難性について考察をすすめ,実務への応用方法を探索する.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたオーストラリア連邦への出張が,先方の都合により2024年に延期となったため.
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