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2022 年度 実施状況報告書

投資家の株価に対する期待形成のあり方が引き起こすミスプライスと市場への影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K01774
研究機関青山学院大学

研究代表者

伏屋 広隆  青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (00422395)

研究分担者 北村 智紀  東北学院大学, 経営学部, 教授 (80538041)
中里 宗敬  青山学院大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (90207754)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード追随行動 / ボラティリティの期間構造 / 逐次取引モデル / 情報カスケード / ミスプライス
研究実績の概要

2022年度も引き続きコロナウィルス拡大の影響で、本研究の重要な要素である経済実験ができない苦しい状況が続いている。また、学会発表も大きく制限されることとなった。
そんな中で我々は、対面を中心に46回のミーティングを行い、逐次取引モデルにおける学習の理論面を中心に行った。その結果、前年度シミュレーション上で確認していた、投資家の追随行動がボラティリティの期間構造に影響を与え、オプションなどの価格のミスプライスを引き起こしていることを理論的に逐次取引モデルで示すことに成功した。
上記は、Singapore Economic Review Confereence(SERC)2022に採択され、Session 48のEconometricsIIの2において、Chasers Drive the Volatility Term Structure というタイトルで発表予定であったが、開催月の8月に当地でコロナの感染が急拡大したことを受けて直前に残念ながらキャンセルすることとなった。
さらに上の結果の実証研究をするために、日経新聞社の日経平均を算出している日経インデックス事業部から、日経平均の過去10年分の5秒足データを購入し、実際に追随行動が増えている時間帯にボラティリティの期間構造が歪んでいるかどうかを検証した。また、ボラティリティの良い将来予測についても検証を行った。
今年度も引き続き上記検証を進め、必要に応じて為替などの別のデータでも実証を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

(A)学習モデルについて、追随行動がボラティリティの期間構造に影響を与えることを逐次取引モデルで示すことができた。
(B)数値シミュレーションについて、上記の影響を逐次取引モデルで確認できている。
(C)経済実験について、コロナウィルスの影響で行えなかった。
(D)実際の市場データによるパラメータの推定について、日経平均の5秒足データにより、逐次取引モデル以外でも上記の現象が確認をし、パラメータ推定およびその推移を時系列で追うことで、検証を行った。

今後の研究の推進方策

今年度は(D)の実際の市場のデータを使った研究に力を入れようと考えている。具体的にはパラメータ推定の方法の改良、日経平均以外でのデータを使った検証を行う。
また、コロナの影響で遅れている学会発表についても力を入れる。現在、今年度終わりのAmerican Economic Associationに投稿しているので、当面はここでの発表を最終目標として、国内で発表をしつつ意見交換を重ねたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルスの感染拡大により、学会発表がキャンセルになり、また、経済実験ができなかったため。

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公開日: 2023-12-25  

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