研究課題/領域番号 |
20K01774
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
伏屋 広隆 青山学院大学, 社会情報学部, 教授 (00422395)
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研究分担者 |
北村 智紀 東北学院大学, 経営学部, 教授 (80538041)
中里 宗敬 青山学院大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (90207754)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 追随行動 / ボラティリティの期間構造 / 逐次取引モデル / 情報カスケード / ミスプライス / ボラティリティの補正式 |
研究実績の概要 |
2023年度は、コロナウィルスの影響は随分と落ち着いてきたものの、本研究の重要な要素である経済実験についてはコンピュータールームの使用における人数制限などが残ることから大規模な実験は難しい状況であった。 そんな中で我々は、対面を中心に30回のミーティングを行い、逐次取引も出るにおける学習の理論面とその実証研究を中心に行った。理論面においては、昨年度証明した追随行動によるボラティリティの期間構造モデルは比較的長いスパンを想定して構成していたが、購入させて頂いた日経平均株価の過去10年分の5秒足データを使って短期間のモデルに応用することにより、ボラティリティの具体的な補正式を構成することに成功した。実証研究では、同じく日経平均株価の過去10年分の5秒足データにより上記の補正式の妥当性を検証した。具体的には、本研究の重要なパラメータである投資家の追随率は市場からは直接観測できないので、補助定理によりそれを自己相関係数と紐づけ、市場から観測される自己相関係数と補正式により逆算される自己相関係数が整合的かどうかを実証した。その結果、望ましい結果が得られている。 その一方で昨年度の期間構造研究がAmerican Economic Association(2024)にポスター発表で採択されたので(ポスター発表の採択率20%、登壇発表の採択率10%)、Chasers Drive the Volatility Term Structureのタイトルで発表を行い今後の研究の方向性について貴重な知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(A)学習モデルについて、追随行動がボラティリティの期間構造に与える影響を定量化かし、本来のボラティリティへの補正式を構成することができた。 (B)数値シミュレーションについて、上記の補正式を構成するにあたりシミュレーションの確認を随時行った。 (C)経済実験について、コロナウィルスの影響が残っているため大規模な実験は行わなかった。 (D)実験の市場データによるパラメータの推定について、上記の補正式が整合的かどうかを長短期の自己相関係数を用いて実証し、望ましい結果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
(A)学習モデルの構築、(B)数値シミュレーション、(D)実際の市場データによるパラメータ推定については結果がでているので、今年度はコロナウィルスの影響で止めていた(C)経済実験を再開および(E)市場におけるミスプライスおよび不確実性の上昇の時系列分析に力を入れる予定である。 また、現在 Singapore Economic Review Conference(2024) および American Economic Association(2024) に研究成果である2本の論文を投稿している。これらについて意見を頂いた後にこの2本を論文として投稿予定である。 さらに結果を日経インデックス事業部にフィードバックすることを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの影響により、前年度の学会発表がキャンセルになったことおよび経済実験ができなかったため。
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