研究課題/領域番号 |
20K01791
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
ばん澤 歩 大阪大学, 大学院経済学研究科, 教授 (90238238)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 経済史 / 鉄道史 / ドイツ史 |
研究実績の概要 |
2022年には、前年度に引き続きドイツ鉄道史を軸に、ドイツ語圏鉄道の組織的展開について、東アジア・日本との「帝国」単位での比較可能性を念頭に置きつつ、おもに20世紀前半について調査をおこなった。 コロナ禍により中断を余儀なくされていた現地史料調査を再開でき、ドイツ連邦公文書館(ベルリン・リヒターフェルデ分館)において、20世紀共和国交通省文書を調査した。あわせて、現地踏査により日本鉄道省ベルリン事務所の位置関係を特定した。 戦間期・戦中期の日独鉄道関係について、ドイツ側の日本認識について内部資料にもとづくその実態を観察したが、それらを日本側のドイツ認識と照合することで、戦間期・戦中期のドイツ鉄道の組織的実態に関する新たな考察角度を得た。 本年度における史料調査・資料収集を基にした研究成果は引きつづき来年度における研究活動の成果とあわせて公表されるものであるが、中間的な報告として下記の台北大学における研究報告ならびに副次的な研究交流・意見交換として同じく下記の書評ならびに研究会コメントを得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ(COVID-19)の影響により、本研究における主要な資料収集に支障をきたした。ドイツ連邦共和国の公文書館における閲覧制限や、新たに資料収集の幅を広げた先であるアメリカ合衆国公文書館における史料送付の遅れなどにより、史料調査が前年度予想よりも遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
ドイツと日本の鉄道業における組織管理の比較という視点に関連し、ドイツの国鉄統合に至る経営実態について計量分析的な指標を求める作業の完成が本研究の主たる成果とすべきものであり、これらの作業については進行中である。あわせて日本ならびびに旧「満洲」の鉄道業とドイツ鉄道業との接触について現地調査を含む観察分析にとりかかっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該研究計画は、年度内におけるドイツ連邦共和国を中心とする欧州各国での短期間の史料調査の実施を前提としていたが、計画開始・実施年度が新型コロナ(COVID-19)による渡航困難期にあたったため、史料調査出張の途絶によって年度内での計画変更を余儀なくされた。 今後は予定していた資料調査出張を行うべく、夏季・秋季のドイツ渡航を計画中である。したがって費目としては「旅費」を中心に執行する。
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