研究実績の概要 |
本構想の成果としてJournal of Southeast Asian StudiesというCambridge University PressのJournalより"Opium consumption and living standard of Singapore, 1900-1939"と題する論文の出版を達成することができた。この論文によって、これまでAllen等が適応してきたWelfare Ratioの基礎となる生存に必須なアイテムに阿片を含んだ時の解釈を展開することができた。
阿片消費とOpium Revenue Reserve Relacement Fundに関するデータベースの構築としては海峡植民地、マレー連邦州、マレー非連邦州からなる英領期マラヤ地域のデータ入力、推計作業の殆どを終え、また英領北ボルネオとサラワク州ににおける阿片消費に関連するデータの収集行うことができた。こうした取り組みにより、今後もシンガポールで行った研究と同じ視角から生活水準の比較研究を展開する基盤研究をすることができた。現在、論文の執筆に取り組んでおり、年内の投稿を目指している。一方英領期ビルマについてはBritish Partipamentary Paperが記録したいくつかの資料収集はできたがデータベースを構築するところまでは到達できなかった。 2020年度より4年間の研究実施ではあったが、国際会議での報告を通じて生活水準で扱う範囲、植民地行政における阿片の役割、相対的に高い一人当たりの実質GDPに対して、阿片を常習する非熟練労働者が生存レベルに達していなかった事実などを広く議論する機会を得たことは重要な機会となった。
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