消費における企業の役割は、(1) 財によって大きく異なるが、住宅、別荘、自動車では企業を通じた配分が大きかった。また、(2) シベリア・極北地域や企業城下町では企業の役割が支配的であった。これは、商品の入手の困難さと関係しており、そのために、企業管理部や共産党の関与が見られた。しかし、(3) 大半の場合には共産党は関与せず、企業管理部よりも労働組合の役割が大きかった。また、(4) 長期的な視野でみると、中古市場を含む「市場」が次第に拡大した。 時代的な変化をみれば、消費財「市場」の範囲の拡大とともに消費財調達における企業の意義は次第に低下し、市民の企業(および背景にある国家)からの自立が進んだ。
|