研究課題/領域番号 |
20K01816
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
木山 実 関西学院大学, 商学部, 教授 (30340897)
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研究分担者 |
高橋 周 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (10339731)
大森 一宏 駿河台大学, 経済経営学部, 教授 (90247594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 海外実業練習生 / 貿易商社 / 陶磁器業者 / 水産業者 |
研究実績の概要 |
コロナ禍が収束しない中、研究代表者・研究分担者ともに、当初計画していた国内外の文書館、史料館等での史料調査を2021年度もほとんど行うことが出来なかったが、各人とも勤務校の図書館、国会図書館デジタルアーカイブ、あるいは史料・書籍の購入によって史料収集とその分析に努めた。 研究代表者の木山実は、実業練習生の出身校の究明、あるいは実業練習生制度が大正末から昭和初期に終焉していったことについて研究を進め、その成果を2022年1月10日にオンライン(Zoom)で開催した研究会で「実業練習生制度の終焉をめぐって」と題する報告をした。また木山は、実業練習生関連で「三井物産の豪州上陸と羊毛バイヤー」(若林幸男・大島久幸・山藤竜太郎編『国際人的資源管理の経営史』(日本経済評論社、2022年1月刊、第3章第1節)、「高島屋飯田の豪州上陸」(同前書、第4章第1節)を執筆した。 研究分担者の高橋周は、主に水産業関係で調査を進め、勤務校図書館が所蔵する『農商務省水産講習所一覧』および水産関係雑誌の収集と分析に当たった。また指導中の大学院生古谷悠真氏を本研究会に紹介した。その大学院生は上記の2022年1月10日開催の研究会で「遠洋鱈漁業の発展と海外実業練習生」と題する研究報告をした。 もう一人の研究分担者大森一宏は、主に陶磁器関係で調査を進めたが、昨年度に続いて『工学博士 北村彌一郎窯業全集(全3巻)』の分析を進めるとともに、新たに藤江永孝を取り上げ、藤江が渡欧中に書いた日記「伯林起居日記」を分析した。さらに北村や藤江の活動を相対化するため、『農商務省商工局臨時報告』に掲載されたさまざまな産業分野に属する海外実業練習生の報告を分析し、陶磁器業における海外技術・制度などの導入の特性について考察を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上の「研究実績の概要」で書いたように、われわれは2021年度も「コロナ禍」の影響を受け、当初予定していた国内外の文書館・史料館での史料調査をほとんど行えていない。そのことによって、研究会もほとんど開催できなかった。しかし各人は可能な範囲で史料収集と分析を行った。 このような事情から、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
「コロナ禍」は収束したとはいえないが、やや薄らいできたような状況にあるため、この機会に史料調査を進展させたい。また糖業分野から一定数の海外実業練習生が派遣されていることを鑑み、この糖業分野での研究を進展させるために、その糖業史に明るい福井工業大学の藤田幸敏に新たに研究分担者に入ってもらうことにした。 このようなことを前提として、2022年度は昨年度よりも研究会の開催数を増やし、最終年度(2023年度)につなげて行きたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のために、当初計画した国内外での史料調査がほとんど行えなかったため、出張旅費等が未使用額となったためである。 次年度使用額ならびに今後の助成金については、史料調査や研究会参加のための出張旅費・ゲストスピーカーへの報酬などに使用する予定である。
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