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2021 年度 実施状況報告書

異種ネットワークによるイノベーション遷移パターンの解明と活用

研究課題

研究課題/領域番号 20K01821
研究機関東京大学

研究代表者

佐々木 一  東京大学, 未来ビジョン研究センター, 特任准教授 (40584199)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード異種ネットワーク / イノベーションパス / イノベーションエコシステム / 知識遷移 / 研究開発戦略 / 科学技術政策 / 引用ネットワーク / 書誌情報分析
研究実績の概要

本研究の目的は、産業上有意義な科学技術を早期に特定するべく、科学技術が産業に資するまでの知識の成り立ちをモデル化することにある。知識の異種ネットワークにおける構造的な位置づけの遷移パターンを抽出することで 実用的なイノベーションフローモデルをネットワーク構造として説明するモデルを構築することを目指す。
論文や特許などそれぞれ単一ドメインでの議論に閉じていたイノベーションパスの議論に対し、本研究ではその知識の繊維をドメイン間の相互連関にまで言及するものであり、イノベーションエコシステム全体の理解と実用につなげるものといえる。具体的には科学の知識遷移として学術論文の書誌情報を、技術の知識遷移として特許公報の書誌情報を、そして産業の知識遷移として企業間取引関係の情報を用い、マルチネットワークにおける情報遷移をモデル化することを目指している。
これまで、複数の分野(複合材料、FRP、太陽光発電分野、ナノカーボン)を対象とした分析を実施し、モデルの再現性ならびに汎用性を確認している。BERTなどの大規模言語モデルによる書誌情報分析が本研究において一定程度有意義であることを確認しており、より詳細について研究を行っていく予定である。
今年度は科学と技術のインタフェースに着目した知識の遷移モデルを構築し、また技術と産業のインタフェースに着目した知識の遷移モデルについてより詳細について解釈を深める。これらを統合的にモデル化する手法の開拓に資することで当初の目的である、産業上有意義な科学技術を早期に特定する手法として確立する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

学術の知識遷移、技術の知識遷移、産業の知識遷移それぞれについて一定の分析並びに研究成果の公開を完了した。FRP、炭素繊維材料、太陽光発電分野、ナノカーボンを対象とした分析を始めとしてモデルの再現性ならびに汎用性を確認している。
SciBERTやGPT-3などによる大規模言語モデルによる書誌情報分析が本研究において一定程度有意義であるため、今後より詳細について研究を行っていく予定である。
国内外における新型コロナウィルス感染拡大防止に伴い予算の使途には若干の変更があるものの全体への影響は軽微であると考える。

今後の研究の推進方策

科学と技術および技術と産業のインタフェースに着目した知識の遷移モデルを構築する。最終的にこれらを統合的にモデル化する手法の開拓に資する。また、科学技術において課題とその解決策の対応について議論することはイノベーションエコシステムのパスモデル構築に有効である。予備実験としてBERTを用いて課題空間と解決空間を抽出する実験によって有効性を確認している。今後はイノベーションエコシステムの意味的な理解に寄与する大規模モデルの活用を並行して行う。引き続き、専門家との議論を積極的に行うことを予定してい、定性的な評価と考察にしする情報収集を積極的に行っていくと同時に原著論文を含めた成果につなげる。

次年度使用額が生じた理由

国内外の新型コロナウィルス感染拡大防止状況により、予定していた国際会議やインタビューなどに変更が生じた。しかしながら全外計画に大きな影響はないと判断しており、残りの研究機関での適切な執行が予定される。

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公開日: 2022-12-28  

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