研究課題/領域番号 |
20K01830
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
国枝 智樹 上智大学, 文学部, 准教授 (90733923)
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研究分担者 |
伊吹 勇亮 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (60410255)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 危機管理広報 / 信頼構築 / 広報理論 / 在日米軍 / 迷惑施設 |
研究実績の概要 |
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、当初3月に予定していたアメリカでのインタビュー調査を行うことができなかったため、信頼構築における理論の開発に必要となる文献調査を中心とした研究を行い、成果の発表をしてきた。 具体的には3つの研究計画の内、全体の理論構築の、そして第3の計画である「在日米軍における事件・事故発生時の広報対応について事例調査を通して明らかにする」ことの基盤となる危機管理広報理論に関する諸外国の先行研究の整理を行い、学会発表と査読論文の執筆を行った。また、アメリカで開催された広報の国際研究発表大会(International Public Relations Research Conference)にオンラインで参加することで関連研究の最新動向を調査し、国内の学会イベントでの報告に向けて整理をした。 第1の計画「現在の在日米軍の人材育成を含めた広報体制について明らかにする」についてはアメリカで米軍情報学校(Defense Information School)に対するインタビュー調査を行うことを予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い渡航ができなくなったため、文献調査を行うにとどまり、具体的な成果を出せていない。ただし、上記の研究発表大会では軍情報学校の関係者との接点を作ることができた。 第2の計画「在日米軍の広報体制の特殊性を在米米軍との比較において明らかにする」についても、第1の計画と同様にアメリカでのインタビュー調査ができなかったため、文献調査を行うにとどまった。迷惑施設(NIMBY)としての在日米軍基地の特性に注目することから、特にNIMBY関連の先行研究の整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遅れている理由は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う渡航の禁止により、当初予定していたアメリカでのインタビュー調査が実施できなかったことである。感染の拡大や事態の長期化は当初、予期できなかった事態であり、2021年度についても事態の収束の見通しは不明確であることから引き続き、影響を受けることが考えられる。文献調査をはじめ、関連調査を進めることや、オンラインでのインタビュー調査の可能性を検討することによって遅れを取り戻す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は第1の計画である在日米軍の広報体制と第2の計画である在日米軍の広報体制の特殊性については引き続き、文献調査を中心に継続し、年度末にアメリカでインタビュー調査を行うことを予定しつつ、新型コロナウイルスを巡る状況次第ではインタビュー調査を再び延期せざるを想定するなど、柔軟に研究を進める。第3の計画である危機管理広報の事例調査については報道分析などを中心に、実施可能な手法を精査し研究を進める。また、2020年度末に参加した国際研究発表大会に関連して行った研究動向調査についても日本の学会で報告するなど、調査研究の成果については適宜、発信をしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウイルスの影響でアメリカでのインタビュー調査が実施できなかったこと、また、アメリカでの研究発表大会への参加に伴う旅費や参加費等が大会のオンライン化にともない不要にまたは減額となったことから次年度使用額が生じた。次年度使用額は2021年度にアメリカでのインタビュー調査を実施するために使用することを予定している。
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