研究課題/領域番号 |
20K01833
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
坂本 義和 日本大学, 商学部, 教授 (70350288)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | グローバル・サプライ・チェーン / 国際分業・協業 / イノベーション / 自転車産業 |
研究実績の概要 |
本研究は自転車産業におけるグローバル・サプライ・チェーンの形成から現状について、またイノベーションを推進させるグローバルな企業間ネットワークの形成から現状について、その変遷と現状を明らかにすることを目的としている。特に、①現状においてどの様に分業や協業がなされているのか、②現状に至るまでどの様にそれらが構築されたのか、③それらを統括する主体的な役割は存在するのか、する場合はどの立場の者が行っているのか、について検討することを目的としている。本研究は、歴史的実証研究とインタビュー調査を中心に研究を遂行する計画を有しており、当該年度は歴史実証研究遂行のベースとして、本研究が対象とする地域である日本、台湾、ヨーロッパの企業や図書館、アーカイブに赴き資料を収集、特に英国のUniversity of WarwickのNational Cycle Archiveにおいての資料収集を計画していた。しかしながら新型コロナウィルスによる世界的なパンデミックの影響を受け、本務校において海外出張が全面的に停止となり海外での資料収集が不可能となった。また国内出張も同様に簡単にできない状況のため想定していた資料収集が遂行できなかった。そこで計画を大幅に変更し可能な範囲での文献・資料収集活動と収集済みの文献の解読を中心に研究を進めた。また助言や意見を得ることを主たる目的とした研究初期段階における研究発表として、2020年9月に開催予定であった国際学会World Congress Business Historyにおいての研究報告を計画し、Call for paperが採択され報告が決まっていたが、これも新型コロナウィルス・パンデミックによる影響によって大会が2021年に延期となり報告の機会を失った。ただし報告の権利は引き続き認められるため2021年に報告を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既述の様に、当該年度は新型コロナウィルス・パンデミックの影響により国内外での資料収集活動が行えなかったことが計画より遅れている第一の理由である。計画では当該年度において、英国を中心にオランダなどのヨーロッパへの海外出張ができなかったため歴史的実証研究としての本研究のベースとなる資料・文献収集計画に遅れが生じた。他方で、資料・文献収集活動の代わりに資料・文献の解読を先に進めたことから全体の進捗状況で考えると大幅に遅れてはいないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス・パンデミックの状況次第ではあるが、可能であれば計画通り、英国、オランダなどのヨーロッパへ渡航し、資料・文献収集を行いたいと考える。またいくつかの国際学会にも参加し、研究報告並びにインフォーマルなコミュニケーションを通じて本研究に対する助言や意見を得たいと考える。さらに台湾や国内でのインタビュー調査を実現したいと考える。 しかしながら2021年度に関しては、状況が引き続き変わらない可能性が高いため、引き続き文献解読と論文作成を先に進めたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主たる理由は新型コロナウィルス・パンデミックのため国内外への出張の実施が難しかったため旅費を計上することが出来なたかったためである。他方で、文献解読といった研究活動を優先したことで文献や物品の購入を多く行った。 使用計画としては、依然として新型コロナウィルス・パンデミックの状況次第ではあるが、もしも状況が好転し海外渡航に問題が少なくなった場合は、事前の使用計画通り旅費の計上を行う予定であり、前年度の活動できなかった分も行いたいと考える。しかし状況が好転しない場合は、引き続き文献や資料の購入による研究活動に計画を変更したいと考える。
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