研究課題/領域番号 |
20K01844
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
東郷 寛 近畿大学, 経営学部, 准教授 (10469249)
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研究分担者 |
金川 幸司 静岡県立大学, 経営情報学部, 客員教授 (00341470)
吉田 忠彦 近畿大学, 経営学部, 教授 (20210700)
團 泰雄 近畿大学, 経営学部, 教授 (60298502)
井上 祐輔 函館大学, 商学部, 准教授 (90737975)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ガバナンス |
研究実績の概要 |
本年度は、非営利組織の戦略的経営を左右する人的資源管理に関する文献レビューを重点的に行った。文献レビューを通じて次の点が明らかとなった。第一に、経営学で展開された戦略的人的資源管理の研究成果を非営利組織研究に援用する研究が2000年代から行われるようになったことがあげられる。その背景には、非営利組織の事業組織化や政府補助金の削減に起因する資金調達をめぐる組織間競争の激化があげられる。そうした状況において非営利組織における戦略の重要性が認識されるとともに、戦略の立案と実施を担える人材の確保がより一層重視されている点が明らかとなった。非営利組織を取り巻く環境の変化が戦略的人的資源管理研究の展開へとつながり、当初は経営学における戦略的人的資源管理研究で提示された仮説の検証に重点が置かれていたものの、近年では非営利組織研究独自の分析枠組を構築する動きが見られるようになった。第二に、戦略的人的資源管理における理事会と理事の役割に対する関心が十分に払われておらず、とりわけ戦略の策定と実施過程における経営者(事務局長など)への支援に関する詳細な検討が今後の研究課題であることが明らかとなった。以上を踏まえて次年度では、組織戦略ならびに戦略的人的資源管理における理事会の機能に焦点を合わせ、持続可能な組織運営に資する組織ガバナンスの条件と組織の発展段階に応じたガバナンス構造の変化ついて考察を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響で国際学会への参加とインタビュー調査が叶わなかった為。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に行った先行研究レビューで明らかになった研究課題である理事会の機能と人的資源管理の関係性を解明すべく、これまで調査にご協力いただいた組織を中心にインタビュー調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、コロナ禍の影響で国際学会への参加とインタビュー調査が叶わなかった為である。次年度に国際学会での報告が予定されていることから、その際に発生する諸経費(国際学会参加費、海外渡航費、インタビュー謝金、英文校正費等)に充てる予定である。
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