研究課題/領域番号 |
20K01848
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
鳥羽 達郎 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (40411467)
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研究分担者 |
佐々木 保幸 関西大学, 経済学部, 教授 (20268288)
金 き 東京国際大学, 商学部, 教授 (60255023)
舟橋 豊子 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (70760479)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小売業 / 日系小売企業 / 欧米小売企業 / 東南アジア / 自己革新 / 流通革命 / グローバリゼーション / グローカリゼーション |
研究実績の概要 |
本研究は、多国籍小売企業の国境を超越する事業展開に伴うマーケティングや小売経営にかかわる知識や技術の普及が進出各国における流通業の発展に及ぼす影響について検討することを目的としている。具体的には、東南アジアの新興経済諸国に進出する日本や欧米の小売企業による現地市場における事業展開やそれらに対峙する現地小売企業(ローカル・リテイラー)の反応行動や自己革新について分析する。2022年度は、東南アジアの新興経済諸国に進出する日本や欧米の主要な小売企業による現地市場における事業展開について分析することを主たる研究課題に掲げた。新型コロナ感染症の影響で東南アジアでの現地を実施することは叶わなかったが、これまでの現地調査の蓄積、企業に対する電話や電子メールを介したヒアリング調査、東南アジア諸国が公開する小売業や消費にかかわる統計資料などを頼りに、研究活動を進めてきた。とりわけ、日本や欧米諸国の主要な小売企業の東南アジアにおける事業展開について多くの事例研究に取り組むことができた。その中間成果は、著書の執筆、論文の執筆、そして学会報告という形で積極的に発表してきた。また2022年度中に発行されなかったが、本研究課題の成果として学会誌(査読付)に掲載が決定している論文(印刷中)や出版が決定している専門書も存在している。その詳細は、次年度の研究業績にて報告することにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度の研究課題としては、東南アジアの新興経済諸国に進出する日本や欧米の主要な小売企業による現地市場における事業展開について分析することを主たる研究課題に掲げた。そして、その成果を著書、論文、学会報告という形で発表することができた。なお、当初はタイとミャンマーにおける現地調査を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の拡大やミャンマーについては国内情勢の問題から現地調査の延期が余儀なくされた。しかし、過年度に実施してきた現地調査で収集してきた情報、電話や電子メールを活用したヒアリング調査、各国政府が提供する小売業に関連する統計資料、そして現地の研究者等によって取 り組まれてきた事例研究の成果を有効に活用することによって、多くの事例研究に取り組むことができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、最終年度となる。今年度は、「研究課題の検証」「研究成果の発表」、そして「研究の総括」に取り組むことが課題となる。最初に、前年度に引き続いて事例研究を充実させる。具体的には、東南アジアに進出する多国籍小売企業の事例研究と東南アジアで躍進する現地小売業の事例研究に取り組む。次いで、可能であれば過年度に実施することが叶わなかったベトナム、カンボジア、タイ、ミャンマーに加えて、フィリピンとインドネシアにおけるヒアリング調査や観察調査にも挑戦したい。10月末までに事例研究を包括的に検討し、東南アジア市場に進出する日本や欧米の多国籍小売企業の事業展開がもたらす波及効果やローカル・リテイラーによる自己革新のメカニズムを浮き彫りにする。また、その成果を国内外の学会や研究会で発表する機会を設け、分析と考察の精緻化を図る。そして最後に、研究論文の刊行が課題となる。こうした取り組みを通じて、研究成果の妥当性と問題点を整理する。研究活動で明らかにできたことを確認すると同時に、残された課題を明確にしなければならない。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、2020年度に計画していたベトナムとカンボジアにおける現地調査と2021年度に計画していたタイとミャンマーにおける現地調査を実施することが叶わなかったことから次年度使用額が発生した。今年度は、これまで実施できなかった現地調査に加え、フィリピンとインドネシアにおける現地調査を計画している。次年度使用額は、これらの現地調査や代替調査(現地調査が叶わなかった場合)などの研究活動に利用することを計画している。
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