研究課題/領域番号 |
20K01858
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
網倉 久永 上智大学, 経済学部, 教授 (70222693)
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研究分担者 |
石井 昌宏 上智大学, 経済学部, 教授 (90323881)
小阪 玄次郎 上智大学, 経済学部, 准教授 (90582297)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 経営戦略 / 技術経営 / イノベーション / 産業構造 |
研究実績の概要 |
本申請研究では、デジタルカメラ(DSC)が銀塩フィルム式カメラを代替してきたように、従来製品にはない新たな価値提案を伴う「分断的イノベーション」の結果として、産業構造が起こるメカニズムを解明することを目的としている。分断的イノベーションの影響は、それが観察される市場・産業だけでなく、周辺市場・産業にも及ぶ。たとえば、DSCの普及によって、写真撮影・印刷のプロセスがデジタル化し、フィルム・印画紙は不要となった。本研究では、分断的イノベーションの波及効果も含めて、産業構造の変化について検討していく。 本申請研究では、先行する助成研究「分断的イノベーションによる競争優位実現プロセスに関する理論的・経験的研究」(課題番号:17K03954)での研究アプローチを引き継ぎ、事例研究による経験的知見を蓄積し、それに基づいてより一般性の高い数理モデルを構築し、理論・経験の両面から、新たな価値を創造するイノベーションによる産業構造変化のプロセスを考察する。 令和2年度には、先行研究のレビューを行うとともに、事例研究のためのデータ収集、数理モデルの一般化程度を高めていく方策を検討した。 先行研究のレビューから、分断的イノベーションが観察される焦点産業だけでなく、周辺産業までを含めた包括的な分析・研究は非常に数が限られており、経験・理論の両面で研究蓄積の必要性が高いことが確認された。 また、経験的な事例研究では、「デジタルカメラの目」と評される、画像センサーを取り上げ、画像センサーの技術革新・世代交代が、(1)応用分野であるビデオカメラ・デジタルカメラ・スマートフォン市場での個別企業の競争行動にどのような影響を及ぼすのか、また(2)ビデオカメラ・デジタルカメラの市場が縮小し、スマートフォンに代替されつつあるのはなぜなのか、について検討するためのデータ収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響から、国際学会の開催がキャンセルされるケースが相次いだため、学会発表への応募を見送り、成果発表の機会が限定されてしまった。また、事例研究のための聴きとり調査にも、一部影響があったものの、オンライン・ミーティングで代替するなど対策を講じているため、全体として大きな遅れとはなっていない。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の通り、数理モデル分析と経験的分析を組み合わせて考察を行い、研究成果を学会誌等に投稿したり、口頭報告を行う予定である
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を計画していた国際学会が、開催中止となったりオンライン開催となり、海外旅費の支出がなかったため、次年度使用額が発生した。国際学会に参加できる状況になったら、適切に執行していく予定である。
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