2023年度は、研究期間を延長して、研究をした。多国籍企業の組織文化の構造を理論化した。つまり、現地の文化の影響度、本社の企業文化の影響度の組み合わせ、それらの間の相対化によって、4つの組織文化を表した。つまり、現地文化が浸透しているか、本社の企業文化が支配的か、現地の文化と本社の文化の混同か、そのどちらでもないものかという文化の内容である。国の文化の新しい次元をみつけのは、理論的にも、実証的にも困難であり、組織文化が国の間で異なるかを理論化、実証をしようとした。組織文化が国の文化につながっているということである。例えば、集団主義の社会では、クラン文化とつながりあった。女性化が強い社会では、従業員参加だけでなく、従業員の福祉を重視する、アドホクラシー文化と関連があった。 国の文化と組織文化との関係があるという前提があるとすると、多国籍企業の組織文化を語る場合に、含意がある。組織文化と国の文化につながりあるという前提であれば、多国籍企業が異なる国に進出する場合に、組織文化にあった社会の文化をもった国に進出することが、その操業の成功のために必要になってくる。しかし、多国籍企業の組織文化と現地の社会文化と異なる場合には、操業の成功のために、現地の社会文化に調和をするように、適応することが求められるであろう。あるいは、新しい工場を買収をする、つまりグリーンフィールド投資をすることによって、現地の文化に縛られないようにして、多国籍企業の組織文化を構築、育むことが必要になろう。
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