研究課題/領域番号 |
20K01878
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
横澤 公道 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (20636394)
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研究分担者 |
柴田 裕通 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 名誉教授 (10280843)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 改善 / 不安感 / 改善成果 / 改善行動 / 生産管理 / 技術者 / 危機感 / 革新行動 |
研究実績の概要 |
昨年度10月にInternational Journal of Operations & Production Management投稿した論文が当該年度7月に出版された。本稿は研究目的である「不安と改善成果」との関連性を実証した論文で研究成果の中でも最も重要な成果である。出版は最終年度を計画していたが、査読プロセスが想定より早く進み一年前倒しとなった。同7月に行われたEurOMA Conferenceに研究論文:①「The role of a sense of urgency in driving employee innovative behavior」、②「The impact of trust and intimacy on opportunism」がプロシーディングスに出版された。①は研究目的を発展させ「危機感と革新行動」との関係性を考察した論文である。②は不安に関連する概念の「高い仕事の要求」が従業員の機会主義的な行動を呼び起こすという内容となる。本稿も研究目的に沿いつつ発展させる内容となっている。翌8月には「Towards an Economic Theory of Lean」がIFIP Advances in Information and Communication Technology book seriesに出版された。本稿は、リーン改善を経済理論の視点から論じ、リーン改善の普遍的側面を考察している。11月に著書「Operations Management in Japan」が出版された。本書は、製造技術者の役割から日本の効率的な製造にどのように貢献しているかを考察している。これらは改善の国際移転を考えるにあたり重要な成果である。また研究の成果をより広く普及させるために7月に神戸大学経済経営研究所12月には東京大学大学院経済学研究科で研究報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、最終年度で達成する計画であった国際ジャーナルへの研究論文採択されたこと、また不安感から派生した「危機感」や「仕事への要求」の概念を使った研究が進み国際学会のプロシーディングスに出版されたことから計画以上の順調に進展しているといってよい。また、研究発表に関しては東京大学や神戸大学から招待され研究報告をするなど、研究結果を広く広める活動も行えたことからも研究は順調に進んでいるした根拠である。
唯一、「おおむね」順調に進展しているとした理由は、新型コロナの影響で海外に渡航することができず、計画していたオランダの研究者との交流や海外においてのデータ収集ができなかったことである。一方でオランダのUniversity of Twenteの教員とオンラインで複数回ミーティングを行い、研究テーマについて共有し共同で研究をしていくことの合意が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、計画にのっとり、次の方向性で研究を進めていく予定である。①不安と改善活動の媒介変数として「フロー体験」や「ワークエンゲージメント」という概念を取り入れ、不安が高い個人の方が、改善活動を持続的に行うことができるという概念モデルを構築する。②海外出張が可能であれば、オランダにおいてデータ収集へ向けて海外の研究者と交流を加速させていく。③不安感と関連する感情である危機感と革新行動との因果関係について研究をを発展させていく。①と③のテーマに学会発表ののち、国際ジャーナル投稿へ向けて準備をする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルス(COVID19)の世界的流行により、当初予定していた国際学会の参加が対面からオンラインになったことによる、旅費を使用しなかったことである。
使用計画 今年度は、海外渡航の規制が一部緩和されたことにより海外学会の参加が一部制約があるが可能となったため、海外学会参加のための費用にあてる計画である。
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