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2022 年度 実績報告書

食品メーカーのオープンファクトリーと経験価値ブランディングに関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01879
研究機関中央学院大学

研究代表者

白石 弘幸  中央学院大学, 商学部, 教授 (60242707)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードオープンファクトリー / 口コミ / 組織イメージ / 親近感 / CSR遂行 / ホスピタリティ / 良き企業市民 / 透明性
研究実績の概要

武田の笹かまぼこ、源、東京かねふく、ヨコオデイリーフーズ、ふくや、カクキュー八丁味噌等に対する実地調査を実施した。当該調査により食品メーカーのオープンファクトリーにおける生産プロセスや体験プログラム、ホスピタリティのあり方、これらがブランディングに果たす役割を明らかにした。またトリップアドバイザーとフォートラベルに投稿されている口コミの精査で来場者における心理的効果、組織イメージの変化を調べた。
オープンファクトリーにおけるものづくりの透明性確保は生産組織としての信頼感形成に機能し、それは製品の安心感獲得につながる。これはものづくりを可視化している生産組織は信頼でき、信頼できる生産組織が作った製品は安心できるという因果関係である。生産過程が見える製品は安心であるという直接的な関係もそこにはある。作り手としての信頼感は当該組織の高い評判、レピュテーションとブランド確立の土台、好意的口コミ発信の基礎となる。生産の公開は見学者にものづくりへの関心を喚起させる次世代育成の意義も持ち、一部の口コミではこれが高く評価されている。その実行は当該組織のCSR遂行、良き企業市民的性格につながり、当該遂行と当該性格の保有は好意的口コミ発信の基礎、レピュテーション成立の要件、ブランディングの土台となる。ファクトリーの構造や内外装、展示物に独自の特長があれば好意的な口コミ形成に働く。またスタッフの親切な応対や物的要素によりおもてなし、ホスピタリティが感じられれば好意的口コミが活発化する。オープンファクトリーはその食品が出来上がっていく様子を見るという体験を提供することで当該製品に対する親近感も来場者に形成する。そこにおける食育でもまた、その食品の持つ特徴や優れている点、一般家庭に普及するまでの歴史等を学ぶ過程で親近感が形成され好意的口コミが刺激されている。以上の知見を5本の論文に著し発表した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 食品生産組織と地理的表示保護-八丁味噌の事例研究-2023

    • 著者名/発表者名
      白石弘幸
    • 雑誌名

      日本海域研究

      巻: 54 ページ: 33-52

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 食品生産組織の正統性訴求-八丁味噌を事例に-2023

    • 著者名/発表者名
      白石弘幸
    • 雑誌名

      中央学院大学商経論叢

      巻: 37(2) ページ: 49-63

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 良き企業市民たる食品生産組織の取り組み-文化貢献と工場公開を中心に-2023

    • 著者名/発表者名
      白石弘幸
    • 雑誌名

      中央学院大学商経論叢

      巻: 37(2) ページ: 65-84

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] HACCPと工場公開-東京かねふくを事例にー2022

    • 著者名/発表者名
      白石弘幸
    • 雑誌名

      中央学院大学商経論叢

      巻: 37(1) ページ: 35-47

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 水産練製品の生産組織に関する比較研究-スギヨと紀文の組織理念-2022

    • 著者名/発表者名
      白石弘幸
    • 雑誌名

      中央学院大学商経論叢

      巻: 37(1) ページ: 49-65

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 原材料等元来的コモディティの差別化戦略2023

    • 著者名/発表者名
      白石弘幸
    • 学会等名
      日本情報経営学会第85回全国大会(2023年6月25日、東海大学湘南キャンパス)

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公開日: 2023-12-25  

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