本年度は最終年度となっているため、これまでの成果を査読付論文(International Journal of Managing Information Technology)及び日本財団パラスポーツサポートセンター紀要に発表した。下記に概要を述べる。 第一に査読付論文となった「スポーツ用義足の技術分析」論文を整理する。スポーツ用義足は、オズールとオットーボックの2社が席巻している。両社ともスポーツ用義足の発明者であるVan Phillipsの技術を「買収」によって獲得している。そして、スポーツ用義足の研究はアメリカ中心に行われており、特許はPhillipsとオズールが中心であった。そして、オズールに着目して研究を売上高と特許との関係を回帰分析した結果、特許は売上高を決定する大きな要因であることがわかった。続いてPhillips特許がオズール特許に影響を与えているとの見地の元、買収年の2000年の前後10年、合計20年の期間を対象に回帰分析を行った結果、10年のタイムラグがあった。研究、特許公開・審査期間などを踏まえると、買収後6年半あたりから特許取得の効果が表出していた。以上の分析結果をInternational Journal of Managing Information Technology誌に投稿し掲載された。 第二に「国立教員養成系大学のパラスポーツ授業分析」論文をまとめる。昨年度は、国立教員養成系大学におけるパラスポーツ教育の実施状況を明らかにするため、シラバスを対象に研究を行い、抽出データの定量分析及び「教員養成フラッグシップ大学」4校と関連授業数が最も多い北海道教育大学について定性分析を行った。本年度は、その追加調査として、先進的な取り組みを行っている東京学芸大学及び北海道教育大学にインタビューを行い、整理をし、日本財団パラスポーツサポートセンター紀要に掲載した。
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