研究課題/領域番号 |
20K01885
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
平野 実 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (00405507)
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研究分担者 |
朴 唯新 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (20435457)
李 在鎬 広島市立大学, 国際学部, 教授 (40342133)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 知識構造 / 知識ネットワーク / 知識資産 / 自動車産業 |
研究実績の概要 |
令和5年度は,共同研究者である李との共著論文,“Strategies for Managing Potential Conflicts in International Joint Ventures: A Japanese Automotive Stamping Die Case”では,韓国と中国における日本の自動車用プレス金型メーカーの国際合弁事業の成功事例を検討することにより,生産財分野における国際合弁事業の不安定性(知識構造や知識ネットワークの不安定性)を緩和する主要因を明らかにした。また,李(2023)「自動車産業電動化の移行期におけるバリューチェーン変容と静脈部企業の先行的対応戦略ー廃車載電池再資源化企業の事例ー」は,広義のVC(製品の生産、消費、処分とリサイクルを網羅するVC)に立脚し、2030年頃から台頭するとされている使用済み電動車と使用済み車載リチウムイオン電池のリサイクル産業を事業機会と捉え,先行的に技術開発や事業実験を行っている日本の2社のリサイクル企業の事例研究である。2社とも技術蓄積のある鉱山企業であり,工程技術開発に成功しているものの,市中に廃リチウムイオン電池(Feedstock)がまだ少く,安定的事業実験が困難な状況にある。そこで,両社は類似インプット(例えば,家電用や住宅用のLiB)を一部代用し事業実験を行っていた。これらの事業実験の過程において,新たな知識創造プロセスが見いだされた。さらに,中岡・朴・陳(2024)「BEVおよび電池メーカーの特許情報を用いた製品アーキテクチャにおけるモジュラー型の可視化手法に関する一研究」では,電気自動車(BEV)および車載用電池メーカーの特許情報(知識資産)を用いて,製品アーキテクチャにおけるモジュラー型の程度(知識構造の深化プロセス)を可視化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度に予定していた,海外調査(特に中国)が全体的に遅れているため,研究の進捗状況を「やや遅れている」としている。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,本研究の最終年度にあたる(1年間延長している)。海外調査の中で,特に遅れている中国の調査と韓国の追加調査に注力し,研究の取り纏めを実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和5年度までに計画していた海外調査(中国,韓国)の準備に手間取り,これまでの遅れをとり戻せなかった。令和6年度は,研究計画を1年間延長しての最終年度となるため,これら海外企業の調査,分析の実施と研究の取り纏めを行う予定である。
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