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2022 年度 実施状況報告書

複数サービスへの同時加入が日本のSNS市場に及ぼすトップシェア交代効果の分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K01895
研究機関関東学院大学

研究代表者

石井 充  関東学院大学, 人間共生学部, 教授 (10350753)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードネットワーク外部性 / シェア変動 / 複数サービス
研究実績の概要

複数サービスの共存状況を仮想的に想定し、シェア変動を時間的に追いかける数値シミュレーションを行った。具体的には、サービス提供社が2社ある場合と、3社ある場合を想定し、初期状態のシェアとして、特定のサービス提供社1社のみが大きなシェアを有する状態を設定し、以降のシェア変動を時間的に追いかけた。また、これらの初期状態に関して、モデル内のパラメータを変化させ、シェア変動に定性的な側面での差がないことを確認した。さらに、複数サービスの共存が可能である状況と、可能でない状況、加えて、2社のサービス共存のみが可能である状況と、3社以上の共存が可能である状況とを想定し、シェア変動がどのように異なるかを観察した。
精度的にはやや不十分ではあるが、おおむね当初期待していた結果が得られた。すなわち、シェアの低いサービスが利便性を高めた場合、共存が許されない状況下においては、ネットワーク外部性の効果によってシェアの変動が生じにくいが、共存が可能になると、シェア変動が大きくなり、ネットワーク外部性の効果が顕著に小さくなることが確認された。
このような、各種パラメータの設定に依存しない傾向が確認できたので、日本やアメリカのSNSに関して、実際のシェア変動を適切に説明できるかどうかの作業が今後必要となる。また、対象として、当初想定していたSNSだけでなく、ネットワーク外部性が大きな効果を持つと考えられるオープンソースハードウエアに関して、市場における評価調査を行い、その結果を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画していた数値計算自体は順調に終了しつつある。現実のシェア変動との比較に加え、当初計画にはなかった、ネットワーク外部性が大きな効果を有するオープンソースハードウエアのシェアや特性分析への応用を検討している。

今後の研究の推進方策

日本や米国におけるSNSサービスにおいて現実に発生したトップシェアサービスの交代現象に関して、シェア変動の定量的変化を、今回のシミュレーションで再現できるかどうかを確認する必要がある。
また、SNSとある程度類似したシェア変動を示すオープンソースハードウエアに関して、モデルの適用可能性を検討する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

感染症による入国制限等のため、予定していた国際学会がオンライン開催となり、発表自体は行ったが、発生する交通費がなくなった。今年度は制約が緩くなることが予想され、残額の使用が可能となる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Consumer Preference Survey for the Open-Source Hardware RaspBerry Pi and its Implication to the Coexistence with Compatible Devices2022

    • 著者名/発表者名
      Mitsuru Ishii
    • 学会等名
      Pacific Asia Conference on Information systems
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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