研究課題/領域番号 |
20K01915
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
松本 茂 城西国際大学, 国際アドミニストレーション研究科, 教授 (80772079)
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研究分担者 |
砂川 伸幸 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (90273755)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | M&A / 新結合 / 企業戦略 / 相乗効果 / 両利きの経営 |
研究実績の概要 |
令和4年度は、2012年から2014年に日本企業が実行した海外M&A102件について成否を判定した。分析対象として102件は、レコフデータから金融、不動産、資源を除く業種における買収金額100億円以上の案件を全て抽出した。そして102件すべてについて、買収企業の決算発表説明資料やニュースリリース、SPEEDAの財務データをもとに買収後の状況を調査した。買収後に対象事業を売却、または撤退した案件を失敗、当該事業セグメントにおいて最高営業利益更新率50%以上を実現した案件を成功とした。判定の結果は102件中、成功が24件、失敗が19件、対象事業に関連した減損を計上した案件が4件であった。その他の55件は保有を継続しているが利益成長を実現していなかった。 1985年から2012年までの調査では255件中失敗が79件、成功が26件であったが、2012年から2014年の102件では成功の数が失敗の数を上回っており、日本企業による海外M&Aの数が増加するとともにその成否も改善していることが分かった。 令和4年度は、上記の調査に加えて、本科研費研究の成果をもとに2021年に上梓した「海外M&A新結合の経営戦略」(東洋経済新報社)で第16回M&Aフォーラム奨励賞を受賞した。また、日本コーポレートガバナンス・ネットワークなどで企業経営者を対象とした講演を行うとともに、東洋経済オンライン他メディアへの寄稿などを通じ、本研究のテーマである「海外M&Aによる利益成長モデル」に関する研究成果の発信を積極的に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は、2012年から2015年までに実行した海外M&A162件の買収後の財務データの分析を行う予定であったが、調査に時間がかかり、2014年までの102件に留まったことから、1年期間を延長して分析を継続する。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、残り60件の海外M&A案件について買収後の調査を行い、成否を判定する。成否判定後の結果を研究成果として日本経営学会など学会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度への調査継続および学会発表のため。
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