• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

サイボーグ技術の市場受容可能性に関する国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01920
研究機関明治大学

研究代表者

村田 潔  明治大学, 商学部, 専任教授 (70229988)

研究分担者 浅井 亮子  明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (40461743)
折戸 洋子  愛媛大学, 社会共創学部, 准教授 (70409423)
福田 康典  明治大学, 商学部, 専任教授 (90386417)
アダムス アンドリュー  明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (90581752)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードサイボーグ技術 / ウェアラブル / インサイダブル / 倫理問題 / 市場受容性 / マーケティング / 人間の機械化
研究実績の概要

本研究は,サイボーグ技術(ウェアラブルならびにインサイダブル:医療目的以外で使われる身体装着型ならびに体内埋込型の電子機器)が市場に受け容れられ,広く利用されるための条件を探求することを通じて,企業の技術開発と利用のあり方ならびにマーケティング戦略への示唆を与えると同時に,サイボーグ技術の開発と利用がもたらしうる倫理問題の特質を解明し,技術と人間・組織・社会が共進化する中で「人間の機械化」が進む現代社会における善き人間存在と企業活動,そして善き社会の実現のための政策提言をプロアクティブに行うことを目的とし,これを世界規模の国際/異文化間比較研究として展開する。
2020年度は(1)サイボーグ技術に対する消費者の主観的態度の国際比較を行うために,「Qメソドロジー」に基づく調査研究を日本,スペイン,フランスの3カ国において実施し,また(2)日本国内において,脳波を利用して機械操作を行うウェアラブルである「ブレインマシンインターフェース(BMI)」を使ってロボットアームを動かす実験を健常者を被検者として行い,被検者への聞取り調査を通じてBMIの受容性と人間の機械化に対する態度を調査した。これらは,本研究の目的に直接関連する研究活動であり,そこから得られた知見は本研究の進展に大いに貢献するものであった。
また,本研究の基礎研究として(3)情報倫理研究における異文化間比較とはどのようなものであるべきなのかについての理論的考察を行った。異文化間比較研究が,往々にして特定の国や地域の文化を固定的なものとして前提してしまうことによって,文化相対主義的な,あるいは自文化中心主義的な発想や主張へと結びついてしまうリスクを有していることを明らかにし,文化の流動的な特徴を示した。このことを通じて,異文化間比較研究として実施されている本研究のアカデミックな健全性を確保するための重要な示唆が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画では,北欧ならびに西欧各国においてサイボーグ技術の開発者と利用者に対する聞取り調査を行う予定であった。しかし,新型コロナウィルス感染症の流行のためにこれを実施することができず,次年度以降に繰り延べすることを余儀なくされた。これについては,2021年9月以降に改めて聞取り調査のスケジュール調整を行い,2022年5月までには聞取り調査を実施して,当初の進捗計画をキャッチアップする予定である。その一方で,2020年度においては,海外共同研究者とのQメソドロジー調査研究や,BMI実験,また異文化間比較研究に関する理論研究などを実施することを通じて,予定していたよりも豊富な研究成果を上げることができた。そのため,全体としてはおおむね順調に進展していると評価できるものと考えられる。

今後の研究の推進方策

上記のように,当初計画していた北欧ならびに西欧各国における聞取り調査については,2021年度秋以降に時期を繰り延べして必ず実施する予定である。その他の研究活動については,当初の予定を上回るペースで実施し,それに伴って研究成果が上がってきており,このまま研究を進展させていきたい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の流行のため,国内での学会報告のために必要であると考えていた国内旅費と,北欧ならびに西欧での聞取り調査のための海外旅費をまったく使用しない結果となった。また,対面での研究活動のために必要であると考えていた会議費等についても同様に使用しない結果となった。
2021年度の秋以降に,2020年度に予定されていた調査や研究報告,会議を実施する予定である。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] Complutense University of Madrid/University of Burgos/University of La Rioja(スペイン)

    • 国名
      スペイン
    • 外国機関名
      Complutense University of Madrid/University of Burgos/University of La Rioja
  • [国際共同研究] Uppsala University(スウェーデン)

    • 国名
      スウェーデン
    • 外国機関名
      Uppsala University
  • [国際共同研究] Grenoble Ecole de Management(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Grenoble Ecole de Management
  • [国際共同研究] De Montfort University(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      De Montfort University
  • [国際共同研究] Texas Tech University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Texas Tech University
  • [雑誌論文] Culture as Suture: On the Use of "Culture" in Cross-Cultural Studies in and beyond Intercultural Information Ethics2021

    • 著者名/発表者名
      Thomas T. Lennerfors, Kiyoshi Murata
    • 雑誌名

      The Review of Socionetwork Strategies

      巻: Online first ページ: unpaged

    • DOI

      10.1007/s12626-021-00080-x

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] The Online Attention Game for Digital Identity Education: An Exploratory Study2021

    • 著者名/発表者名
      Tadao Obana, Miha Takubo, Yohko Orito, Kiyoshi Murata, Hidenobu Sai, Tadayuki Okamoto
    • 雑誌名

      The Review of Socionetwork Strategies

      巻: Online first ページ: unpaged

    • DOI

      10.1007/s12626-021-00077-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Ethical Aspects of a "Psychokinesis Machine": An Experimental Survey on the Use of a Brain-Machine Interface2020

    • 著者名/発表者名
      Yohko Orito, Tomonori Yamamoto, Hidenobu Sai, Kiyoshi Murata, Taichi Isobe, Masashi Hori
    • 雑誌名

      Arias Oliva, M., Pelegrin Borondo, J., Murata, K. and Lara Palma, A. M. (eds.), Societal Challenges in the Smart Society, Logrono: Universidad de La Rioja

      巻: Book chapter ページ: 81-92

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 経営と情報倫理:目的なのか,手段なのか2020

    • 著者名/発表者名
      村田潔
    • 学会等名
      電子情報通信学会ISEC/SITE/LOIS合同研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 福祉分野におけるBMIの可能性と倫理的課題:障がい者の利用を目指したサイコキネシス実験等に基づく考察2020

    • 著者名/発表者名
      折戸洋子,村田潔,鈴木靜
    • 学会等名
      日本社会福祉学会第68回秋季大会
  • [図書] 情報倫理入門2021

    • 著者名/発表者名
      村田潔、折戸洋子
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623091256
  • [図書] Societal Challenges in the Smart Society2020

    • 著者名/発表者名
      Mario Arias Oliva, Jorge Pelegrin Borondo, Kiyoshi Murata, Ana Maria Lara Palma (eds.)
    • 総ページ数
      630
    • 出版者
      Universidad de La Rioja
    • ISBN
      9788409202737
  • [備考] 明治大学商学部 村田潔

    • URL

      http://www.isc.meiji.ac.jp/~kmurata/

  • [備考] 明治大学専任教員データベース

    • URL

      https://gyoseki1.mind.meiji.ac.jp/mjuhp/KgApp?kyoinId=ymkdyoykggy

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi