研究課題/領域番号 |
20K01926
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
中道 一心 同志社大学, 商学部, 准教授 (60512001)
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研究分担者 |
田中 彰 京都大学, 経済学研究科, 教授 (00275116)
川端 望 東北大学, 経済学研究科, 教授 (20244650)
加藤 康 京都経済短期大学, 経営情報学科, 教授 (50352935)
河村 徳士 城西大学, 経済学部, 准教授 (80726191)
富野 貴弘 明治大学, 商学部, 専任教授 (90366899)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | サプライチェーン / タイミング・コントローラー / タイミング・コントロール機能 / 規模の経済性 / JIT / ジャストインタイム / 競争優位 |
研究実績の概要 |
昨年度に1.前研究プロジェクトの研究成果を共有すること、2.先行研究を整理すること、3.フィールドリサーチ(国内外)を中心に行い、4.ケース作成、5.成果発表に着手する計画であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大により、1と2にしか研究資源を割くことができなかったため、新規のフィールドリサーチを体系だって行うことができなかった。その結果、4と5には着手することができなかった。 2021年度は、これらを挽回すべく準備を進めたが、新型コロナウイルス感染症が再拡大し、海外でのフィールドリサーチの実施を延期せざるを得なかった。そこで、これまでの研究蓄積を生かし、本研究プロジェクトを補強するために、周辺領域の整理し、学会報告と論文執筆をおこなった。 本研究において大きな前進は、タイミング・コントローラーが成立し得る条件について、アルフレッド・D.チャンドラーのThe Visible Hand(邦題『経営者の時代』)と、これに対するオリバー・E.ウィリアムソンの書評論文にさかのぼって検討したことである。そして、その成果として事業所としてのタイミング・コントローラーと、独立した企業としてのタイミング・コントローラーを区別する観点を示すことができた。端的には、①タイミング・コントロール機能を有する事業所が素材生産企業の工場や完成品企業の工場と連携し、円滑な残の供給を行う仕組みを持っていることと、②タイミング・コントロール機能を有する独立した企業(タイミング・コントローラー)が素材生産企業や完成品企業との力関係の下で契約を結び、産業組織のなかで利潤の確保と成長を目指していることは、区別したうえでどちらも研究しなければならないことを明示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の再拡大により、昨年度に計画していた新規のフィールドリサーチなど、予定していた研究計画が実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症がいつ収束するかはわからない。その一方で、各国政府や協力企業の対応も整備されてきており、渡航基準や受け入れ基準がわかりやすくなり、どんな状況であればフィールドリサーチが可能か、ある程度見通せるようになった。 2022年度はフィールドリサーチを実施するとともに、代替可能なものについては、オンラインでのインタビュー調査に切り替える。ただし、2年間思うような調査を実施できなかったため、1年間延長することを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内外のフィールドリサーチを計画していたが、2021年度は新型コロナウイルス感染症の再拡大により、当初の予定のように実施することができなかった。しかし、2022年度は協力企業側の受け入れ態勢が整ってきており、可能な限りフィールドリサーチを実施する。一方、2022年度に挽回できない場合は、2022年度終了を予定していたが、2023年度まで終了年度を延期することも視野に入れながら、研究を進める。
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