本研究では、日本の大規模製造業の中期経営計画のコンテンツのテキスト計量分析を実施し、戦略計画論の再考を行った。戦略研究の中で相対的に地位が低下した戦略計画論であるが、経営実務においては未だ重要な経営サイクルである。今一度、戦略計画を企業変革に活用するための方策について考察を実施した。 実証分析からは、ダイナミック・ケイパビリティ的な特徴を持つ計画策定が事業規模拡大に資する可能性が示されたが、そういった計画は少数派であった。戦略計画活用を行うためには、計画段階で環境変化を感知するための投資をしっかりとプランすることがその後の資源の再配置を促す可能性も見いだされ、動態的戦略計画論の端緒を開いた。
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