研究課題/領域番号 |
20K01933
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
真鍋 誠司 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (10346249)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | オープン・イノベーション / 共創 / コミュニケーション / イノベーション・スペース |
研究実績の概要 |
当該年度は、企業のイノベーションのスペースについて情報を得るため、6回の研究会を開催した。研究会には、平均8社程度参加があった。当該年度は特に、オープン・イノベーションのオンライン化について、実際にグループワークを行って検証した。グループワークは、以下のように進めた。まず、統一した共創の方法(ビジネスモデル・キャンバスとバリュープロポジション・キャンバス)をメンバーに学習してもらった。次に、未来の都市を描いた1枚のイラストを提示し、各企業の持っているシーズを前提に、自由に議論する時間を設けた。最終的に、どのようなビジネスが可能か、グループごとに整理し、発表してもらった。 当該年度においても、新型コロナウィルスの影響により、各社のスペースを実際に訪問することはできなかった。そのため、リアルな場としてのスペースにおけるコミュニケーションと、バーチャルな(オンライン上の)コミュニケーションの比較をすることはできておらず、課題として残っている。 ただし、バーチャルなコミュニケーションの限界について、多くの指摘があることが先行研究のレビューにより明らかになっている。実際、今回の検証においても、既知の関係性のあるグループでは、問題なくコミュニケーションが図られて共創もスムースであった一方、初めて作業を行う、個人間で関係性のないグループでは、共創が始まるまで時間がかかっている。 今後の状況がどのように変化するかにもよるが、イノベーションを発生させる場について、リアルとバーチャルのバランスという観点から研究することの重要性が、学術的かつ実践的に増大していくと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、企業の保有するイノベーション・スペースとそのあり方にまず着目し、研究を進める予定であったが、新型コロナウィルスの影響により、実際に訪問することが不可能となった。そのため、必要な情報の収集が困難となり、予定よりも大幅に研究の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの影響により、各社のイノベーション・スペースは、実質的に機能していない。したがって、今後の研究では、①各社の保有するイノベーション・スペースの活用策と、②バーチャルなスペースによる(リアルな場の)代替可能性や有効性について、定性的な情報を収集し、分析する。したがって、今後は、リアルだけでなく、バーチャルな視点を導入することにより、研究を継続していく。さらに、オープン・イノベーション推進組織がイノベーションスペースをどのようにマネジメントすることを検討しているかについても、調査と分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの影響により、国内外のイノベーションスペースに関する訪問調査ができなかったため次年度使用額が生じた。次年度は、訪問調査に加えて、アンケート調査の実施、企業に関するデータベースや資料の購入・利用に使用する。
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