研究課題/領域番号 |
20K01936
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
竹田 明弘 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (90330505)
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研究分担者 |
竹林 明 和歌山大学, 観光学部, 教授 (20258495)
栗岡 住子 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 教授 (20736516)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 対人コミュニケーション / ストレス / バーンアウト / 看護管理 / 制度設計 |
研究実績の概要 |
本年度は研究期間の2年目であり、管理制度の変更を実施するとともに、現状のコミュニケーション、ストレス、バーンアウトの関係について実証していくことが予定されていた。しかし、まん延防止等重点措置に伴い学外活動の活動自粛指示などにより、学外者との活動に制限が伴った。また、本研究は看護組織に管理手法の変更に関するものであり、このような混乱の時期にそれを依頼することが困難であった。従って、本年についても、既存研究の整理が中心の活動にならざるをえなかった。 2020-21年間で、看護組織を取り巻く社会環境の変化としてコミュニケーションツールの変化である。とりわけ、オンラインツールの導入である。感染拡大防止の観点から看護師の職場外の対人コミュニケーションに大きく制約が加わり、コミュニケーションツールとしてオンラインでのコミュニケーションが活用されるようになった。また、院内研修についても、オンラインによる参加が追加されるようになった。こうした、オンラインツールの導入が、新人看護師のコミュニケーションとストレス、バーンアウトに影響を与えた可能性がある。それゆえ、ICTがコミュニケーションに与える影響について文献検討を行った。 また、今年度は、COVID-19により実施が大幅に遅れた多くの調査を実施する必要がある。本来、新人看護師について、管理制度 → 対人コミュニケーション → ストレス → バーンアウトの関係を想定していたが、COVID-19下による非接触コミュニケーション、オンラインによるコミュニケーションの促進の影響を受け、管理制度だけでなく、オンライン化の促進が対人コミュニケーションに与える影響まで組み込んだ修正モデルを検討、構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
まん延防止等重点措置に伴い学外活動の活動自粛指示などにより、学外者との活動に制限が伴ったこと。また、本研究の対象になる急性期医療機関はCOVID-19の影響も大きく、このような時期に管理制度の変更を依頼するということが困難であったため。それゆえ、そもそも本研究が志向した管理制度の変更がストレスにどのような影響を与えるかという根源的な目的を達成することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度については、完成年度であり、一定の成果をあげる必要がある。このような時期に管理制度の変更に伴う依頼をすることは困難であり、新人看護師のストレスーバーンアウトの関係について、ヒアリング調査、並びに期間をまたがない質問紙調査、インターネット企業を利用したランダム調査の3点を実施することで、活動成果とする。ただし、これは当初の研究目的とは大きく異なることになるが、複数医療機関の管理制度の違いを組み込み、比較研究とすることで管理制度、コミュニケーション、新人看護師のストレス、バーンアウトの3点の関係を明らかにしていきたい。 また、本研究期間である2020年から2022年について、看護組織を取り巻く環境は大きく異なり、COVID-19の影響を大きく受けている。とりわけ、新人看護師は学生から社会人への変化、勤務組織への適応、看護技術の習得といった、中堅看護師と比較しても強いストレス下にある。こうした、社会環境も念頭に置いた調査を実施する。 ヒアリング調査・・COVID-19下に入職した新人看護師の管理制度とコミュニケーション、ストレス、バーンアウトの状況と、それ以前に新人看護師として入職した看護師とのそれを比較する。 インターネット調査・・横断的に多数の新人看護師の調査を実施することで、COVID-19下より以前に入職した看護師と、COVID-19下に入職した看護師について管理制度がコミュニケーション、ストレス、バーンアウト与えた影響の相違点と共通点について実証研究する。 個別病院調査・・COVID-19下より以前に入職した看護師と、COVID-19下に入職した看護師について管理制度がコミュニケーション、ストレス、バーンアウト与えた影響の相違点と共通点について実証するとともに、ヒアリング調査などでそのコンテクストについて明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費については、調査のための打ち合わせ旅費ならびに、ヒアリングのための旅費が計上できなかったためである。また、物品費について、今年度実施予定であったストレス測定調査が出来なかったことにより、購入予定であった唾液測定キットを購入しなかったためである。次年度は、今年度の大幅な遅れを取り戻すため、本来予定していたヒアリング調査、組織に対する実証調査だけでなく、インターネット調査を利用する予定である。
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