本研究は、クロスボーダーM&Aを通じたオープンイノベーションについて明らかにすることを目的としている。具体的には、自動車産業におけるトヨタ系サプライヤーが、クロスボーダーM&Aを活用しながら、新たな価値を創造するプロセスを解明することである。 自動車産業を取り巻く環境が大きく変化している中、自社単独による既存事業の延長だけでは、新たに成長することが難しい時代に直面している。その打開策として、クロスボーダーM&Aを積極的に活用することは有効な手段の一つである。その効果を最大限に発揮するためには、M&A後の統合プロセスにおいて、被買収企業の自律性を確保する必要があることが明らかとなった。
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