研究実績の概要 |
本研究の目的は、EVにおける製品の設計思想に関するクローズド・インテグラル型対オープン・モジュラー型の対立概念をEV関連企業の研究開発・事業戦略の側面から検証するものである。日本の自動車企業の場合、急激な技術革新に対応するために、企業間関係を従来のクローズド・インテグラル型に軸足を置きながら、徐々にオープン・モジュラー型を取り入れる戦略が主流である。一方、欧米韓中のEV企業とEV用電池企業は、EV事業においてオープン・モジュラー型を促進させる傾向もみられる。本研究では、EV関連企業の製品設計思想の変遷を社会ネットワーク分析とテキストマイニングで動態的・複眼的に可視化し、EV事業に対する日本の自動車企業に有効な研究開発・事業戦略の提言に資するものである。 本年度の研究成果としては、EV自動車企業(Toyota, Tesla, VWなど)とバッテリ企業(CATL, LG Chmem, Panasonicなど)の企業間関係に注目し、EVメーカーとEV電池企業の研究開発戦略について彼らの特許データをベースで比較検討してみた。その研究成果の一部として、M. E. Porter(1996)のプロダクティブ・フロンティア理論を用いて、2022年にJournal of Advances in Artificial Life RoboticsのVol. 3, No. 2,で"Competitive Positioning of R&D Strategies at Productive Frontier: The Case study on Cooperative Relationship between EV and Battery Makers",Yousin Park, Iori Nakaoka, Yun-ju Chen, pp. 184-188という題で掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナが収まる中でまだ現地調査が困難な状況であったため、引き続き、EV自動車企業(Tesla, VW, Toyotaなど)とバッテリ企業(CATL, LG Chmem, Panasonicなど)の特許データベースを構築している。さらに、国内外の研究分担者・協力者とは、ZoomなどのSNSツールを用いて研究会を定期的に開催している。
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