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2021 年度 実施状況報告書

ナレッジ・ネットワークおよび戦略的意思決定が製品イノベーションへ与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K01943
研究機関青山学院大学

研究代表者

中内 基博  青山学院大学, 経営学部, 教授 (20339732)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードイノベーション / ナレッジ・ネットワーク / トップ・マネジメント
研究実績の概要

本研究の目的は、新製品開発におけるイノベーション・プロセスに焦点を当て、個人間および部門間のナレッジ・ネットワークの構造を探るとともに、トップ・マネジメントが、現場の研究開発および製品開発活動にいかなる影響を与えるのかについて、質問票調査と特許データを組み合わせて検証することにある。本研究の特徴は、イノベーション活動をミクロ(開発現場レベル)とマクロ(トップ/ 組織レベル)の側面に分解して、それぞれが製品イノベーションの開発プロセスにいかなる影響を与え、またどのように相互に作用するのかについて、検証することである。マクロレベルでの製品分野や技術蓄積の方向性に関するトップ・マネジメントの戦略的意思決定と、ミクロのレベルでのナレッジの適切な移転との関係性を見出すことにより、イノベーション・プロセス全体を捉える点において独創的な研究アプローチと言える。
本年度は、ミクロレベルの研究としては、知識提供者のネットワーク特性が部門内および部門間の知識の選択にどのような影響を及ぼすのかについて実証分析を試みた。部門内の知識移転と部門間の知識移転では、異なる阻害要因を抱えるが、そうした知識移転の問題点を提供者のネットワーク特性が解決することを見出した。この結果は、日本経営学会誌に論文として掲載されることが決まっている。
他方、マクロレベルの研究としては、エレクトロニクス企業における破壊的イノベーションにトップ・マネジメントがどのように関わってきたのかについての事例分析を引き続き行い、販売と製造の水平的機能分化にもとづく長期的な組織的分業体制が、継続的な破壊的イノベーションを可能にすることを見出した。これらの結果は、Academy of Management学会にて研究報告を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ミクロレベルの研究としては、国内ジャーナルに1本論文として掲載が決定し、マクロレベルの研究としては、1本の国際学会報告を行い、海外ジャーナルへの投稿を行うことができたことから、概ね計画通りに進展していると考えている。
これは、それぞれの研究について内外の異なる専門領域の研究協力者を新たに得ることができたことが大きい。

今後の研究の推進方策

今後の研究の進め方として、ミクロレベルの研究については、複数部門間の知識移転におけるBoundary Spannerの効果について、国際学会での報告を予定している。
他方、マクロレベルの研究としては、トップ・マネジメントの戦略と組織構造の関係が、破壊的イノベーションをどのように生成するのかについて、論文として内外のジャーナルへ次年度に投稿・発表を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響により、海外学会がオンラインで開催されたことで、予算配分を変更したことに加え、統計分析のために最新のパソコンを購入する必要があった。その結果、46,780円の残額が生じた。今年度についても、海外学会が中止またはオンラインでの開催および参加となった場合には、予算配分の変更が必要になると考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 知識提供者のネットワークと部門間知識移転2022

    • 著者名/発表者名
      真保智行、中内基博
    • 雑誌名

      日本経営学会誌

      巻: 50 ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] Business Internationalization and Co-evolution of Organizational Identities2021

    • 著者名/発表者名
      Yuki Nakajima, Motohiro Nakauchi
    • 学会等名
      Academy of Management, 81st Annual Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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