研究課題/領域番号 |
20K01944
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
河合 憲史 上智大学, 経済学部, 准教授 (20867478)
|
研究分担者 |
竹之内 秀行 上智大学, 経済学部, 教授 (90297177)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 国際経営 / グローバル戦略 / 競争優位性 / 制度的距離 / 進出形態 / 戦略的重要性 |
研究実績の概要 |
本研究の主な目的は、マルチレベルのリサーチ・デザインに基づいて日本国内で活動している多国籍企業(MNC)における知識マネジメントプロセスの動的ロジックを明確にするだけでなく、概念化モデルの構築を目指しながら実証研究することである。本研究では、次の3つの主要なサブテーマに焦点を当てている。(1)知識マネジメントに関する既存の文献の批判的評価。 (2)国境を越えた知識マネジメント戦略を策定および実施する際に直面する問題と課題の徹底的な分析。令和2年度には、「在日外資系企業」「海外子会社の知識マネジメント」「海外子会社の競争行動・競争優位構築プロセス」に焦点を当てた先行研究を徹底的に読み込みながら、共同研究者と打ち合わせを複数回実施し、新たなリサーチ・ギャップの発見・相互の知見の共有に努めた。特に在日外資系企業の知識創造プロセスのみならず、在日外資系企業による価値連鎖の実態及び構築パターン、進出形態の変化要因、戦略的役割の進化メカニズムに関しても包括的な文献整理を丁寧に行った。これらのテーマを十分検討・整理して得られた問題意識に基づき、2020年8月から12月にかけて東洋経済新報社の「外資系企業総覧 」を活用し在日外資系企業の大規模なパネルデータセット(2010-2020)を作成した。世界中の民間企業データを収集・分類しているビューロー・ヴァン・ダイク社から財務データを購入し、データの統合作業を進めた。こちらも、引き続き、令和3年度も継続していきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による影響もあり、在日外資系企業に対するエキスパート・インタビュー調査が極めて難しい状況に陥った。この予期せぬ事態により、リサーチ・デザイン(文献整理、理論的考察、仮説再構築、データ収集、統計分析手法)に関する再検討・再修正を余儀なくされた。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度に収集した長期時系列データ・セットを丁寧にクリーニングし、統計処理ソフトを活用しながら計量分析を効率よく実施していく。仮説検証型分析のアプローチに基づき、推論的な仮説の立案や実証結果の頑強性のチェックを行うのみならず、仮説探索型分析アプローチも併用しながら、分析結果を多面的且つ論理的に解釈し、独自性のある仮説を再生成していこうと考えている。これらの研究を正確に実施し、信頼性のある実証結果を元に論文を執筆し、国内外の学会にて発表することを目指していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】当初の計画と異なり、旅費が不要となった。 【使用計画】特にデータ購入費、英語論文の英文校正費に支出予定である。
|