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本研究は、「企業間の取引関係において、サプライヤー間関係のありかたが、バイヤーとの取引関係にどのような影響を及ぼしているのか」を明らかにすることを目的として出発した。令和５年度は、レジリエンスを鍵概念として、令和４年度までに行った、日本の自動車産業の自動車メーカー・部品サプライヤー間の取引関係のデータを使用した定量的な分析をもとに、国際学会での報告を行い、そこで得られたコメントをふまえて、英語論文を作成・改訂する作業を主として行った。
具体的には、主として次の５つの作業を実施した。①使用する統計手法を洗練させることで、内生性の問題に対応した。②分析の頑健性を確保するために、２種類の従属変数を追加して分析した。③日本の自動車産業の取引形態の特性についての記述を追加した。④自動車産業だけでなく、エレクトロニクス産業においても、本研究の示唆が適用可能だろうとの考察を行った。⑤最後に、これら一連の作業をふまえ、サプライチェーン研究に対する理論的貢献を明確化した。
本研究の最終的な成果として、論文投稿・改訂のプロセスを続け、英文査読誌に採択にいたることを期している。
また、本研究の過程で、自動車産業におけるデータを追加的に入手することができ、これまでの取引データと組み合わせることで、さらに新しい視角での研究を行うめどが立った。これについては令和６年度以降の新しい研究プロジェクトとして立ちあげる予定である。
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