研究課題/領域番号 |
20K01959
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
近藤 公彦 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (10205552)
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研究分担者 |
金 雲鎬 日本大学, 商学部, 教授 (10410383)
太宰 潮 福岡大学, 商学部, 教授 (60526391)
中見 真也 神奈川大学, 経営学部, 准教授 (30794797)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | デジタル・トランスフォーメーション / ビジネスモデル / イノベーション / 小売 |
研究実績の概要 |
今年度は、デジタル・トランスフォーメーション(以下、DXという)が小売ビジネスモデルに与える影響をイノベーションに焦点を当てながら理論的に考察した。 まず、DXが流通における小売ビジネスモデルのイノベーションとどのように関連しているかをDXとビジネスモデル・イノベーションそれぞれの有無から類型化した。DXを必要とせず、ビジネスモデルのイノベーションもない初期段階には、伝統的な店舗小売業(業種店)や無店舗小売業が含まれる。この初期段階から、デジタル化は条件としないが、ビジネスモデル変革が必要となるのは、多店舗小売業(チェーン店)および多業態小売業への展開(移行)である。一方、POSシステム、キャッシュレス決済、セルフレジ等の導入は、デジタル化を伴うものの、ビジネスモデルのイノベーションにまでは至らない。そしてDXとビジネスモデル・イノベーションの双方を条件とするのが、プラットフォーム型小売業、オムニチャネル、ネオリテールである。 さらに、こうしたDXと小売ビジネスモデルのイノベーションとの関連に基づいて、小売ビジネスモデルを構成する8つの関係ブロックを明らかにした。それらはカスタマーリレーションシップ、カスタマーバリュー、業務プロセス/オペレーション、ガバナンス、収益フォーミュラ、デジタル・エコシステム、ダイナミック・ケイパビリティ、競争優位である。 こうした理論的考察から明らかになった点は、DXはCXI(顧客体験のイノベーション)とBPI(業務プロセスのイノベーション)の相互作用からなること、そしてこの相互作用には企業自体の変革が伴っていなければならない、ということである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、デジタル・トランスフォーメーションが小売ビジネスモデルにどのような影響を及ぼすかを理論的・実証的に明らかにすることにあった。 このうち、小売におけるデジタル・トランスフォーメーションならびに小売ビジネスモデルに関する理論的考察とそれに基づく分析フレームワークの構築までは達成することができた。しかしながら、その実証分析の方法ならびにアンケート調査対象へのアプローチに多くの時間とリソースを要したため、翌年度に研究期間を延長することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進の方策は、デジタル・トランスフォーメーションが小売ビジネスモデルに及ぼす影響に関して、アンケート調査を通じて実証的に明らかにすることである。この際、研究代表者ならびに研究協力者が所属する日本マーケティング学会リサーチプロジェクト・オムニチャネル研究会と連携している(一社)日本オムニチャネル協会と綿密に連携しながら、アンケート調査の対象となる企業の十分なサンプル数を確保することに取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
デジタル・トランスフォーメーションによる小売ビジネス革新ついて、小売業を対象としたアンケート調査を行う予定であったが、実証分析の方法ならびにアンケート調査対象へのアプローチに多くの時間とリソースを要したため、翌年度に研究期間を延長することとした。 次年度は、研究課題に関する著書の購入費、研究協力者との研究打合せのための旅費、ならびにアンケート調査費用に使用する予定である。
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