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2022 年度 実績報告書

小規模零細小売・サービス事業者の事業承継課題と伝達ノウハウに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01967
研究機関専修大学

研究代表者

石川 和男  専修大学, 商学部, 教授 (60300034)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード事業承継 / 小売業 / サービス業 / 事業継続 / 廃業 / 地域
研究実績の概要

本研究の最終年度に当たる2022年度は、コロナ禍も若干落ち着いてきたことから、小規模零細小売業者やサービス事業者から直接聞き取り調査をする機会を増やした。とくに過疎地において、代々食品小売業を営んできた小売業者や理容業を営んできた事業者などから次世代に承継機会を逸失した状況、近年指摘されるような第三者承継を視野に入れる機会やそれを考える余裕がなかったことなどを聞き取りをした。そこでは事業承継を意識をさせる機会や地域の商工会などでの情報提供機会があまりなかったことなどが確認できた。
他方、過疎化の進む地域での顧客(消費者)動向、高齢化と人口減少が国の統計以上に進み、小売業者やサービス事業者の事業機会(市場)が喪失していることなどを需要側からも確認した。
時間経過により、小売業者やサービス業者自体の事業継続・承継が厳しくなる中、ちょうど本研究開始時から起こったコロナ禍により、これら事業者の経営環境は大きく変化した。それは事業者の中に既に事業承継を断念し、廃業を視野に入れていた者が、事業を継続させる経済的支援が行われたことにより、廃業準備に入るのではなく、事業継続を一定期間先延ばしする行動が見られるようになったことである。そして次第にコロナ禍が落ち着いていく中、あらためて廃業を視野に入れた行動が見られ始めたのは2022年度に入ってからであった。
この3年間は、小売業やサービス業、とくに小規模零細事業者には、これまでの長い経営環境でもほとんど経験しなかった事象が多かった。ただこうした事業者が経験しなかったことを経験したことにより、改めてその事業の存続意義、継承意義がさまざまな意味で問われた。また継続、承継していく中で、「コロナ禍」という特別な経営環境において変化に対応するという伝達ノウハウが必要であり、これらが承継者だけではなく、社会一般にも必要であることが明確にされた。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (11件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 近世におけるわが国の商取引遺産をめぐって-「北前船」出現以前の商品輸送を中心に-2023

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 雑誌名

      専修大学商学研究所所報

      巻: 54 ページ: 1-26

  • [雑誌論文] 地域(ゾーン)におけるトポス・コンテンツの発見とコンテクスト形成-日光市の豊富な地域資源による複数コンテクストの編集-2023

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 雑誌名

      専修大学社会科学研究所月報

      巻: 715/716 ページ: 61-85

  • [雑誌論文] リテールマーケティング研究への道程(5)-中心となる理論化の焦点-2023

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 雑誌名

      専修ビジネスレビュー

      巻: 18 ページ: 1-14

  • [雑誌論文] わが国におけるミクロマーケティング研究の開拓者-市場調査を基盤とした実務界への貢献と大学教育-2023

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 雑誌名

      マーケティング史研究

      巻: 2巻1号 ページ: 24-33

  • [雑誌論文] 過疎地における食品流通をめぐって-消費者が自ら接近・選択することの重要性-2023

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 雑誌名

      日本産業科学学会研究論叢

      巻: 28 ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 事業承継研究における整理事項をめぐって-その対象と構図2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 雑誌名

      専修商学論集

      巻: 115 ページ: 1-26

  • [雑誌論文] 伝統産地の衰退・再生と事業継続・承継の重要性-群馬県桐生市を中心として-2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 雑誌名

      専修大学社会科学研究所月報

      巻: 710/711 ページ: 84-110

  • [学会発表] 地域の歴史的変遷を踏まえた地域デザインの新展開のための提言-地方自治体の進化のためのZTCAデザインモデルの活用-2023

    • 著者名/発表者名
      石川和男(原田保/西田小百合と共同)
    • 学会等名
      地域デザイン学会、第3回社会デザイン会議
  • [学会発表] 我が国における地方自治体の大合併を踏まえた地域デザインの進化方向-官制大合併に見られる限界とコンテクストベースドデザインへの期待-2023

    • 著者名/発表者名
      石川和男(原田保/西田小百合と共同)
    • 学会等名
      地域デザイン学会、第5回ZTCAデザインモデル研究フォーラム
  • [学会発表] 伝統工芸品産業に対する地域政策とコンステレーション2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 学会等名
      地域デザイン学会第3回ZTCAデザインモデル研究フォーラム
  • [学会発表] 事業承継支援におけるニューノーマル化2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 学会等名
      地域デザイン学会第17回関東・東海地域部会
  • [学会発表] 地域における小売商店の廃業と新たな連携2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 学会等名
      日本産業科学学会関東部会
  • [学会発表] コンステレーションを捉えた地域デザインモデルの進化方向-心理学・現象学の地域デザインへの活用-2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男(諸上茂光・原田保共同報告)
    • 学会等名
      地域デザイン学会、第2回デザイン科学研究フォーラム
  • [学会発表] 事業承継施策における地域での官民協働体制の形成2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 学会等名
      日本地域政策学会、第21回全国研究大会
  • [学会発表] 地域創生と事業承継政策の展開2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 学会等名
      地域デザイン学会、第4回地域デザイン学会研究推進フォーラム
  • [学会発表] 過疎地における食品流通の継続性2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 学会等名
      日本産業科学学会、第28回全国大会
  • [学会発表] 伝統産業品産地の衰退/崩壊と地域再生2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 学会等名
      第11回デザイン学会全国大会
  • [学会発表] 地域をとらえたトポスにおけるコンテンツの発見とコンテクストの形成-豊富なトポスにおける複数コンテクストの抽出2022

    • 著者名/発表者名
      石川和男
    • 学会等名
      地域デザイン学会、第4回ZTCAデザインモデル研究フォーラム
  • [図書] ベーシック流通論第2版2023

    • 著者名/発表者名
      石川和男(井上崇通・村松潤一・庄司真人編著)
    • 総ページ数
      220
    • 出版者
      同文舘出版
    • ISBN
      978-4-495-64752-0
  • [図書] 地域価値発現モデル-ZTCAデザインモデルの進化方向2022

    • 著者名/発表者名
      原田保・石川和男・福田康典編著
    • 総ページ数
      241
    • 出版者
      学文社
    • ISBN
      978-4-7620-3190-8

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公開日: 2023-12-25  

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